昭和の忘れもの。

1960年生まれの青ん坊語り。

トランプ政策のほんの一部を60過ぎの姉に説明してみた

私の姉(60越え)はとてもシンプルな考え方の人で。

 

姉「トランプさんはなんで他の国の人たちを(アメリカに)入れないの?ひどいことするね」と少し前のニュースを見ていて言ったので、ちょっとだけ説明した。


私「姉さんの職場にアジア系の外国人もいるでしょ?」
姉「うん。」
私「その人たちが『時給700円でいいから、がんばるから、働かせて』と言ってきたとするじゃん。そして、もし真面目にがんばる人が5人も入ってきたら姉さんの仕事無くなっちゃうかもしれないでしょ?今、トランプさんはそういう外国人労働者を減らそうとしてるんだよ。だから外国人労働者、ましてや難民とかをアメリカに入らせないようにして、アメリカはアメリカ人が働く場所にしたいって言ったのね。それを聞いた労働者たちが『そうだそうだ!』ってなって、まぁ、簡単に言うとそれで大統領になっちゃったのよ」


姉「でも、今までだってアメリカ人も外国人も働いてたんでしょ?」
私「そうなんだけど、仕事が無いって人の中には『外国人の安い賃金労働者がいるから自分たちに職がない』って思っている人たちもたくさんいるわけ。で、『まずはアメリカはアメリカ人でやってくから、他の国のみんなは自分の国でがんばってくれよ。うちに来るなよ。出てってくれよ。自分の国は自分たちでよくしろよ。』って言ってるのね。だから、もしどっかで作った商品をアメリカで売るなら、もちろん関税かけるよ。ショバ代払えみたいな感じでね。あとアメリカの企業はアメリカに工場作ってアメリカ人を雇って会社経営うまくまわしてくれよって言ったのね。実際トヨタとか大変なんだって」

 

姉「まぁ、そういう話もニュースでやってたけど。あんなに急に7カ国からの入国全部拒否ってひどすぎでしょ?」

私「トランプはやることが極端なんだよね。」

姉「今まではどうだったの?」

私「オバマさんは、アメリカも大変だけど、もっと大変な国、国民たちがいるのもわかる。だからみんなで解決策を考えていこう、みんなで努力しよう、みたいなことを言ってたのよ。そうすると、『その考えはかっこいいけど(理想的だけど)今アメリカで生活しているアメリカ人の俺たちの暮らしが苦しいのをなんとかしてくれよ』って思ってた人がずいぶんいたってことかな?」

 

 姉「うちの職場で働く外国人たちはすぐ文句言うし、「コレはこういう風にしてね」って言っても守らないし、やめちゃうし。。真面目じゃないし、続かないって印象だから私たちもいられるんだよね。。確かに。あれで真面目でイイ子だったらとっくに私失業してるかも。」

 

私「だからアメリカをよくしよう!って言葉は、他の国の人はみんないらねー!って意味なのよ。だけど、自分のとこだけよければいいってのは続かないと思うんだよね。もっと大変な国が助けを求めてきてるし、それ以前に国を棄ててアメリカにきてやっと生きている人たちもたくさんいるんでね」

姉「でも自分のところが貧しかったら、他への援助とか協力もできないから、トランプ指示するアメリカ人の気持ちもわからなくはないわ。好きじゃないけど」

私「そうなんだよね。で、一番怖いのは戦争なのよ。もしまた中東とかアジアのどこかでアメリカと戦争が起きたら、高い兵器がすっごく売れるのよ。車の売り上げ作るの大変だけど、戦車とかミサイルが10も20も売れたらすっごく儲かるのよ」

姉「どこが?」

私「アメリカとその傘下・・。」

 

つづく。(続けたくなくなってきたけどw)

 

 

 

ニーチェ君こんなんでよか? 【自分のギター史②】

思いつきながら、ニーチェ君が言ってた言葉になぞって自分のギター暦を振り返っている。

①はこちら。

 

aonbo.hatenablog.com

 

獅子の時代

何をやっていくにも、初心者から中級者になれば、その技がまだ完成していなくとも鼓舞したくなるもの。


さてさて、大学の学祭では貴重な経験をした。


時代は1980年ころ。


学園祭でコピーバンドと言えばストーンズ、パープル、ツェッペリンが主流だったが、時代の流れでパンク、テクノ、ニューウェーブ、クロスオーバーといろんなバンドが出てきた時代。


そんな中、私はジェネシス、UK、EL&P、YESなどのプログレ系のバンドをコピーしていた。


曲の中に変拍子(7/8拍子とか15/16拍子とか・・)があり、曲の尺が長い。当然曲の展開もいろいろと覚えないえればならない。

 

ところが難しいことにトライしている(自己)満足感、それがバンドとして出来上がってくるときの充足感は非常に大きかった。

3分の曲を5曲もやるより、15分の曲をやる方が大変だけど楽しい。どこか本人たちの中に優越感があった。ところが、いざそれを学園祭でやると、目の前のお客さんはみるみるいなくなってほぼゼロ。見ていたのは同じサークルの同じ趣味の3人ほど。


難解な曲。変拍子、長いイントロ、暗く悲しい和音の連続。それでいて、演奏も歌もたいしてうまくない。言うなれば男5人でマスターベーションをしているさまをお客さんに見せていたようなものだった。(学園祭なのでお客さんと言っても無料だけど)


U.K. - Night After Night (live 1979) Good Audio!

※↑比較的短くて聞きやすいけど演奏は難しいし、素人がやって、歌に魅力がないと「変な曲」で片付けられてしまう。

 

まぁ学園祭で披露ってのは、ひとつ勝負に出たが完敗した気分だった。

簡潔に言えば素人が弾くものじゃないと痛感した。

 

その後プログレバンド脱退して、「ウケる曲をやりたい」「背伸びした選曲はやめよう」って曲をやるようになった。
結局プログレ大好きだけど、「好きな曲と、人前で演奏する曲は別で考ないとマスターベーションになっちゃう」って事がわかった。だからひたすら楽しいロックをやった。
結果はとても盛り上がってそれは楽しい学園祭を過ごした(苦笑)

 でも“ナマイキになってチャレンジ”ってのは大事で、貴重な経験だった。


ある意味ラクダの時代の終わりが見えてきたんだと思う。

 

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【これがギターじゃなくて武道だと?】

 

仮に【ラクダ-獅子-こども】の3つを剣の道に例えたなら。

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【ラクダ】→素振り、乱取りなどの稽古(入門者~初心者)
【獅 子】→演舞披露、他流試合、時代が時代なら試し斬り?(中級者)
【こども】→剣の求道。(上級者)

この上級者になる過程には、必ず自分との対峙がある。それが自分の流儀の開花となるんだろうし、そうなっていかないと成長は無い。


かの宮本武蔵で言うなら獅子の時代に巌流島で決闘をしたあたりかな?

そして晩年になって自分の影(自分という既成概念)を斬ったという逸話こそ【こどもの域】に到達したということかもしれない。

(ちょっと重いかw)

 

もちろんニーチェが武道をどうこうしたわけではないけれど、通じるものはある。

言葉遊び的に書くと、ニーチェのは「達人」じゃなくて「超人」だから。

 

さらに言えば歌やギターは「剣豪のように人を斬る」わけではないから、みんなに拍手をされて賞賛されることが多く、やってる側はとてもうれしい。

 

そういう意味では武道と芸術は近いと思う。

 

修行→会得→修行→会得・・を繰り返して、大きくなる。そして自分の技をもって人を倒す(圧倒する)ことを覚え、さらに強い相手を求めていく。

 

昔見た時代劇のドラマで「ええい、もっと腕のたつものはおらぬのか!」なんてセリフの道場破りの場面。

もしくは「おぬしの殺気ただものではない。。」と言いながら刀を抜いて斬りかかる場面。

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そう。ラクダからライオンになったばかりはひたすら腕試しをしたいのね。。

 

もちろん自分が傷つくこともあり、次の壁の大きさを知る。また先人の偉大さにも気づく。その中であらためて自分と向き合って「自由」になっていく。その自由の中から創造がうまれていく。

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悲しいことに向上心がある者は自分の欠点を克服したいと思う一方で、その劣等感から抜け出せずにもがく。これが実はいちばんのエネルギー源であり、ときにカンフル剤でもある。

 

剣道だと重いけど、、女子高生が「あれ?最近アタシの可愛さで男たちがイチコロ?」みたいな感覚も同じようなものかもしれない。

 

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その後の私はと言うと。

 

大学を出て社会人となり。時代はバブル。元々素人の集まりだったバンド仲間はバラバラになって、バンド活動はだんだんフェイドアウトしていった。

 

続く。

 

 

 

ニーチェが言ってたっけ。(自分のギター史①)

人の" 成長 "の様をニーチェがツワラトストラになりかわって言ってたのを自分のギター暦になぞって振り返ってみた。

 

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 ①「汝なすべし」という定言命令(自己に課せられた責任や義務)を背負い、力強い足どりで荒涼とした砂漠を孤独のうちに歩み行く強靭な精神の象徴が駱駝。

つまり「さーこれやろう!」という仕事とか、部活とか、ライフワークとか・・やり始めるときは、強い気持ちはあるものの、ひたすら砂漠を孤独に歩くというもの。

時には修行と呼ばれたり、体育会系では基礎体力作りと言われたり、まぁ基本練習をひたすらやるだけみたいなものにあたるのかも。(ニーチェは精神的なことを言っているけど)

②強靭な精神はこれに飽き足らず(意思が弱いとラクダのままで挫折して終わるw)持て余す力から「我欲す」という雄叫び(あーもっとやりてー!とか、たのしー!みたいな)とともに自己を束縛するありとあらゆるものへの闘争(自己超克への闘争)に挑み続ける獅子に変化します。

ええい!寄るな。寄らば斬るぞ!とか、「もっと強いヤツはいないのか?」みたいなw

③既成概念や既存価値の象徴「黄金の竜(キリスト教的善悪二元論道徳や、精神の創出者にして大いなる理性であるところの身体性を否定するかのような禁欲主義など)」との闘争によって打ち克った自由を謳歌しつつ、なおも創造の遊戯を続けるためには忘我のまま無垢なる遊戯に高じる子供となる必要がある。


 無邪気や忘却や遊戯は忘我(無我夢中)のままの無垢なる戯れを意味します。(イメージ的には子供が夢中になって何かを作っては破壊するような遊びです。)

 

今ある目の前のものが椅子と机だとしても、思いつくままに上にのぼったり、下をくぐったり、はたまた椅子と机でパズルを作ったり。壊した部品で遊んだり、はたまた違う形に作りなおしてみたり。そんな感じ。

 

つまり創作。思いの具現化。

人が行うことの最終形は自己表現。

そんなことを言っているのではないか?と。

 

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 まとめると。

 

はじめは砂漠を歩くラクダ
西も東もわからないまま、ただただひとつの方向へと歩くラクダ

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ラクダが歩いて歩いてたどりつくのがジャングル。

 

で、そこでラクダ獅子(ライオン)に。

 

  1. 獅子は強くなったのを誇示したくてまわりにいるものを襲う。草木はなぎたおす。もっと強い相手を探して挑む。そして獅子はひとしきりあばれた後にジャングルを出る。(傷つけることもあるんだろう)

 

そうした後に、こどもになる。こどもは自由だ。

 

既成概念にとらわれずに遊ぶ。

 

ニーチェさん、こんな感じでいいんかな?うんうん。今だからわかる。

 

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自分が自分なりに「やり続けてきたこと」と思えることは50年以上生きてきてひとつくらいしかない。そのギター(バンド)になぞって考えてみた。

 

【ラクダになるまでもけっこうあった】

我流ではじめた歌とギター。

10代からロックにあこがれてギターをコピーした。
何から練習したらいいのか?なんて考えずにひたすらいろんな曲をコピーした。
どう弾くのか?プロはどう弾いているのか?なんて誰にも教わらずに。
まさに西も東もわからないまま。
毎日弾いたけど、到達点も何もないまま。

 

これ、ラクダなんだ

今と違って、練習ツールとして使ったのはレコードとカセットレコーダーだけ。
カラオケもなければパソコンもyoutubeもない。あるのはレコードとカセットと安いギター。

 

レコード買ってきて(or借りてきて)カセットに吹き込んで、何度も聞きなおしては、それになぞって弾いてみる。途中の早いフレーズがわからない。それでも何度も繰り返し聞く。弾いてみる。いわゆる耳コピ。やっとわかっても指が動かない。

つたなりコピー。誰にも聞かせることもできない。

 

まさに月明かりだけを頼りに砂漠を歩くラクダ


「こんなこと続けてて上手くなるのか?」

ことある毎に自問自答。

教本を買ってきても、全然進まない。
初級編の5ページくらいやると、あとはひたすら難しくて進まない。
楽譜も読めない。そんな日々。
それでも弾いた。(ここは強い意志

 

なんとか1曲通して弾けるようになって、中学の仲間に話しかけた。

 

先に「強い意志」と書いたけれど冷静に考えれば、少しでも上達しているのが実感できたからだろう。スキーにしたって、キャッチボールにしたって、たて笛にしたって、ちょっとずつうまくなるのがわかるのは楽しい。


そんなある日。同じ中学の同じクラスにベースをやっている奴がいて、その子(I君)の家に遊びにいった。

 

I君には双子の兄(ドラムとギター)がいて、その兄弟バンド3人にまざって弾いた。

「お?スモークオンザウォーター弾ける?」
どれだけ練習したことだろう?

 

生まれて初めて人前で弾くリッチーブラックモア。

あのフレーズから。


Deep Purple - Smoke on the Water

そして、いざギターソロ。

全然ダメだった。

家ではほぼ弾けたはずのあのギターソロ。

3人の伴奏が俺を置いてけぼりにした。

生演奏で合わせることの難しさを初めて実感した日。

 

それでも双子の兄のひとりがとても気さくで、ちょっと教えてくれた。

 

それはペンタと言う名のスケール音階。


アドリブについて少し教えてくれた。
3コードでアドリブを弾くというのを初めて教わって、その場で弾いてみた。
ちょっと弾けた。

 

アドリブなんて夢のまた夢と思っていたのに、ちょっと弾けた。

 

すごくうれしかった。

40年経った今でもあの時の嬉しさは忘れられない。

 

帰り道。

ずっと頭の中にあったのは「ペンタでアドリブ」

家でも繰り返し練習した。

今度会ったら、次またバンドにまぜてもらえたら、
「ペンタでアドリブ」だ!

 

ギターコードもかなり覚えた。


中学3年の夏休みが終わるころには「ペンタでアドリブ」があの日よりも少しだけ弾けるようになっていた。

 

この兄弟バンドではその後もう一回だけ弾かせてもらう機会があった。

うれしかった。楽しさを実感した。その後はなかったけれど。

双子の兄さんがすっごくうれしそうに笑ってた。I君も笑ってた。

バンドが楽しいと初めて実感した。

 

高校に入った。

自分の後ろの席の生徒が「バンドやらない?」誘ってくれた。

同じクラスの仲間が集まって文化祭バンドを組んだ。
高校一年の夏休み。

課題曲を決めてひたすら練習した。

 

人前で演奏するために。

リードギターの奴にいろいろと教わった。
曲をよく知っているベースの奴にいろいろと教わった。

キーボードはめちゃくちゃ上手かった。(彼は今でもその世界で活躍している)

 

断片的な知識の数が増えて、その中で模索していた。

ビートルズ、パープル、ビーチボーイズもやったなあ。

ギターが難しいのはリードにまかせてボーカルをやった。

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※数少ない貴重な写真をベース君がアップしていたけど、ギターは弾いてないw


楽しかった。それでもラクダはラクダだった。

なぜなら、自分のギターを録音してみて、思うのだ。


「弾けているつもりが、弾けてない」

 

結局、この時期あたりから上達しない時間が長くなる。

いわゆる「壁」。

 

ギター始めてFが弾けないのも「壁」だけど。
それは2週間もがんばれば、なんとか弾けるようになる。

ソロが弾けないのも「壁」。
でも弾けそうだと思うカンタンなものは、なんとか弾けるようになる。

 

ところが、入門者から初心者を過ぎると、壁の大きさが見えない。

 

練習して「弾けるようになった」→録音して「聞いてがっかり」


小学1年生のピアノの発表会みたいだ。
楽譜をちゃんと間違えずに弾いているのに、、弾けてない。

毎日同じフレーズを練習する。それでもリードギターの奴みたいには弾けない。

 

なんだ?どうすればいい?

 

わからない。孤独。自己嫌悪。

才能がないのか。素養がないのか。

 

【本格的なラクダ】

高校1年の終わりに短期のバイトとお年玉を抱えて、ギターを買いに行った。

grecoのEG-700というレスポールモデル。

 

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※この写真はネットからもってきたものです。実際の私のはこの色でしたが、ハムがオープンではなく銀色テカテカなやつでしたw

 

これに付録で付いてきたのがこの教則カセット。

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これは本当に役に立った!故成毛先生!ありがとうございました。

 

今でも教則本としてよかったのはコレだけだと思っている。

エレキギターの大事な基本がたくさん入ってた。

これでずいぶんと練習した。

後ろの席のギター君もコレで練習したと言ってた。

 

それでも。まだまだ砂漠だった。

結局 2年になっても3年になっても、ギターを抱えて歌う人で終わった。

 

「壁」が大きくなると、自分が上達しない時間が長くなって、つまらなくなる。これがまさにラクダ。360度砂漠の景色に囲まれて、ただただ歩く。

 

ニーチェさん、この例えはすごいわw

 

そのまま大学へ。


大学の軽音楽サークルにはとんでもなく上手いギターの奴が何人もいて、教わりたくて仲良くなる。とは言え、こっちは下手。あまり時間をかけて相手にしてくれない。ましてやバンドもいっしょに組まない。

 

でも気のいいギタリストから何度かアドバイスももらった。

中でもT君はダントツにうまかった。

そして、いつも明るく楽しいギターを弾く。

 

【T君から教わったこと】

 

ある日、T君がクリームのクロスロードを言う曲を弾いてくれた。


Eric Clapton/Cream -"Crossroads"- Guitar (SOLO) Lesson #6 with Chelsea Constable

※この動画の女性もかなり上手い!(まぁT君はもっとニコニコ弾いてたけど)

 

ギター1本で。イントロの途中からのギターワークがすごい。
ベースもドラムもいない。ただただエリックのギターを弾く。
歌のところは1コーラスだけ。そこからまたギターソロ。
脳内再生でベースやドラムのリズムがわかる。曲が伝わってくる。

(はぁ・・。弾けるというのはこういうことだ)

覚えたての「グルーヴ感」という言葉の意味もなんとなくわかった。

 

1人の時にどんな練習をしているか聞いてみた。
ゆっくりとスケール練習。好きなギタリストのコピー。

 

お、、同じ?!

 

ただ、彼はスケールをいくつも使っていた。
「いろんなスケールあるけどさ。お!?かっこいい!ってのはペンタだな」

 

うーん。。

 

間違ってない。間違ってない。間違ってない。

 

このまま練習を続けていけば、T君のようにグルーヴ感あふれるギターを奏でることができるんだろうか??いやできるんだろう。。しかし、差は歴然。。


それから彼はカンタンなコード進行を私に弾かせた。

それに合わせてギターのアドリブを弾いて遊んだ。

すごかった。どんなテクニックだとかそんなことはどうでもいいくらい。

そんなT君とは何度も遊んだ。

 

ちょっと弾きなれないコードについても教えてくれた。

 

9th、11th、dim、aug・・。

 

どんな曲のどんなところで使われているか?もヒット曲を例に弾きながらわかりやすく教えてくれた。

(よく覚えているのは矢沢永吉の「時間よ止まれ」の歌いだしでのaugとか)

 

彼の口癖は「自分のアドリブのフレーズは歌いながら弾くこと

「その歌がいいメロディだったら、スケールなんてどうでもいい。何度もコード進行を聞きながら歌うんだよ。」

 

ジョージ・ベンソンが実際に歌いながら弾いているのもT君の部屋で聞いた。


George Benson - On Broadway - LIVE

後にも先にも、私がギターをちゃんと教わったのはこのT君だけ。

 

大学在学中にT君はプロのスタジオでギターの仕事を少しやっていたと聞いた。

でも「ギタリストになろうなんて思ってないよ。やりたいことできないから」とずっと言ってた。
芸能プロに所属しているかわいい彼女とソファーでイチャイチャしながら。


間違っていないと確信しても、なかなかギターはうまくならなかった。
結局、大学時代はギターを弾きながら歌う人で終わった。

 

 (続く)

 

※続きはこちら。

 

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