ひとがた流し 北村薫著 読了。
FBの友人F氏の高評価に押されて手に取った本を読んだ。
高評価の通り、あまりによかったので、久しぶりの読書レビュー。
学生時代からの女友達3人組。
〈千波〉は猫のギンジローと住んでいる現役の女性アナウンサー。
〈牧子さん〉は娘のさきちゃんと二人で暮らす女流作家。
〈美々ちゃん〉は再婚した写真家の夫の類と娘の玲との3人暮らし。
序盤はそれぞれのキャラクターの輪郭を示す、やんわりとしたエピソードで始まる。
新聞の連載小説らしい、言わば朝ドラのような始まり方。
中盤、道路標識の写真を撮り集めた娘に話す、父親の類のセリフに涙腺崩壊。
この本を通勤バスの中で読んでいた私。急に涙腺が崩壊して恥ずかしかった。あはは(^^)
後半、謎の人物?ことスズキさんの存在が明らかになってくると話のテンポは一気に駆け上がる。
何度となく涙を抑えきれずに、ラストまで一気に読ませていただいた。
友への思い、伴侶への思い、親子の在り方など、日常の中の温かい愛の話に共感してしまう。
(と、、うーん、私のような表現力に乏しい読者が感想を書くとなんとも稚拙で申し訳無いがw)
何より、とてもきれいな文章で綴られていてまっすぐに情感が入ってくる。
各キャラクターの自然なセリフから、著者の広くて深い造詣が伝わってきて、、何度も涙があふれてしまった。
SF小説を読む時に、どこまで飛びぬけた未来像にリアリティがあるのか?
犯罪や事件を扱ったサスペンスを読む時に、どれだけ犯人が冷徹で切れ者なのか?
仮に、そんな物差しをこの日常のドラマにあててみたとすると、どれだけ温かい愛と思いやりや情が登場人物にあるか?
と、、そんな観点からも間違いなく満点の出来栄えでした。
それと、書かれている視点が変わることによって、それぞれのキャラに感情移入できるのは、まさしく著者の力だと思いました。
クライマックスに向けて【ずっと良い子】でがんばってきた主人公が、最愛の人を前にひどい言葉を言ってしまった、言えた、というエピソードが何より1番泣けた。
まったく個人的な印象ですが、、(基準とか、根拠とか無いですが)夏目漱石と山田太一の中間くらいの人間臭い?すてきな小説でした。
うん。しみた。
あー、、また北村薫の本読もうっと!
虹色のトロツキー
昨年の12月に会社を辞めてから半年くらいが経つ。
その間は4月にガンの手術をして無事退院。予後も良い。
まだ仕事に就くには体力が万全ではないけれど、日常生活もほぼ戻ってきた。
そんな中、時間があるので、ウン10年読んでいなかったマンガを読んだ。
「虹色のトロツキー」は、亡くなった私の親友が愛読していたマンガだというのを思い出したこともあり。手がのびた。
帯にも書かれているように日本とモンゴルのハーフの青年が主人公で、舞台は第二次大戦前の満州。
日本の軍部のトップがどれだけひどいことをしてきたか、戦争はどれだけひどいことなのか、実在の人物を描きながら進む。また作中では「アカ」とか「露スケ」とか昨今では聞かない単語が会話の中に随所に出てくる。
描かれている当時の満州でのエピソードはどれも重く、辛く、そして切なく儚い。
ストーリーは史実、資料、調査などに基づいているらしいが、どこまでがフィクションなのか?1読者の私には、正直皆目わからない。
しかしながら全巻通して読んだ私の心にしっかりと刺さった。
作者の安彦良和氏に関してはウィキで詳しく書かれているので参考程度に読んだ。
最近では「機動戦士ガンダムORIGIN」(2019年6月現在NHKで放映中)の作者でもある。
個人的には、かの名作「石の花」のような重さがあった。
さてと。続けて「王道の狗」でも読むとしよう。
今のアニメの主人公がアホすぎる件
ひと口に漫画と言っても、かなり広範囲な話だから、昭和も平成も令和も面白い漫画があるのはわかっているつもり。しかしつまらないものが増えた。漫画に限らずドラマも映画もつまらないものが増えた。すっごく増えたw
昭和のオヤジは手塚治虫、石ノ森章太郎、ちばてつや、などの、いわゆる巨匠の作品をたくさん読んで育った。
※火の鳥より
※サイボーグ009より
※ハチのす大将より
昭和の頃の
大人(社会人?)になった頃は、巨匠たちのチルドレンとも言える大友克洋、浦沢直樹にはまった。
※AKIRA より
※PLUTO より
名作は今読み返しても名作。
平成になってからは攻殻機動隊くらいしか。。
思えば、昭和の最後あたりのアムロあたりから、主人公の感覚についていけず、平成になってのエヴァのシンジ君に至っては全然無理。
なんでこんなに子供なの?
いやいや、考えがあまりに幼いし、ひ弱すぎる。。
うーん、、これが今の読者ターゲットに共感を得るの?
仮に肉体年齢が14才で精神年齢が8才だったらIQ57だよ!?
あまりに酷くないか?
主人公あまりにバカ過ぎないか?
このくらいの主人公でないと、20才前後のリアルな読者は、ちょっと上から見れないってことなん?というか、思いを読み取れない(共感しない)って話??
あ、いやいや、30代も40代も。。みんながみんなじゃないと思うけど。
実は先日NetflixのオリジナルアニメのThe Ultramanを見た。
※顔はジャニーズ系?
左がハヤタ隊員の息子の主人公。めっちゃ幼い高校生男子。頭の中小学生。ウルトラマンになっても幼稚な思考回路。
真ん中は大人代表?のモロボシダン。ダンの見た目はなんとなくガクトっぽいw(ダンはセブン)
右は生意気な小学生的な感覚の高校生。ウルトラマンエース。
これまた高校生の主人公の感覚が小学生くらいでスタート。なんだろ??最後に主人公が覚醒して、絵的にはとっても洗練されているんだけどね。
ダダもスタイリッシュww
冒頭から主人公の考え(言動)が幼過ぎて、、どうにも。。
うーん、、言い換えれば主人公の設定を、こんなに幼い坊や(こんなにおバカさん)から始めないと、読者が成長の差異を感じられないの??
なんだかなぁ。。
漫画は98%コロコロコミック??
昔からわかっていたけど、教科書の文字を大きくすると知的レベルが低下するんだよな。。
例外としては、リヴァイ兵長あたりw個人的にはピクシスが好きだけど。
まぁ売れればいいと、レベルを下げるにもほどがあるわ!