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昭和の忘れもの。

1960年生まれの青ん坊語り。

クッキーが運んだ秋。

memory
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中学2年になってギターに興味を持ち始めた。
フォークソングだの歌謡曲だのなんでもこい!
月刊「明星」のSongBook(ギターコード付)さえあればもうばっちり!ってことでキャロルでも陽水でもかぐや姫でもユーミンでもイルカでもなんでも弾けるぜ!そんな勢いで練習また練習!の日々。

 

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中3になると文化祭でバンドをやることに決定!
バンドができたら練習はさておき?さっそくチラシ&無料チケットを作って宣伝だ!

 

そう!いつも電車で会う他校の女子3人組に来てもらうために.。

うちらメンバー3人で「(せーの・・)バンド演奏するので文化祭に来てくださぁい!」って、、声をかけたら当日来てくれました!

 

そんなこんなでド下手なバンドをキッカケに3×3でグループデート。


秋が終わるころにはそれぞれ担当が決定して??初めてガールフレンドってものができました!(*^-^*)/

 

メールもなければスマホもLINEもない時代。

昭和のカップルは純情でした。。手をつなぐなんて考えたらもう顔がトマト×2です。

 

さて帰り道。楽しいガールフレンドといつもココでさよならって駅のベンチ。
なんてことない話を30分~1時間。


当時は喫茶店に校則で入ってはいけないし。
マクドナルドもドトールもない。


だから駅のベンチで話す。それでも楽しくてしょうがない。

 

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(これはイメージ画像です)

 

ある土曜日。突然彼女から『今日よかったら家においでよ!』と言われて、テコテコと彼女の家に行くことに。

彼女の部屋に行くってだけでドキドキだわな。
「ただいまぁ!」
「いらっしゃい!」
「おじゃましまぁす!」
「あらようこそ。」
「はじめまして。青ン坊と言います!」

なんかお母さんもドキドキしてるんじゃないの?

 

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広めの玄関でカンタンな挨拶をすると2階へ。部屋に入っておどろいた!
ウチの姉ちゃんの部屋とは大違い!なんてファンシーな・・・童話のお姫さまの部屋か?ってか、、床に畳がないぞ!

 

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※これもネットからの画像です

 

パステルピンクと水色に包まれた異空間。。ぬいぐるみたちは大小まざって行儀よく座ってるけど青ン坊は正直言って落ち着かない。。(汗 

 

「よかったらそこに座って・・」 指さす先はベッド!(  ̄△ ̄;

そーっと座ってまわりを見たら籐のチェストによりかかっているのはフォークギター。(天の救いだ!)

「(((*´・д・)弾いていい?」 「うん。弾いて弾いてぇ(・∀・`*)」 彼女が横に座った。

ベッドが沈む。恥ずかしくて顔を見て話せない。チューニングをささっと 合わせて・・早く曲弾かなきゃ・・・。

 

とは言えレパートリーがない!!文化祭でやった[ファンキー・モンキー・ベイビー]はさすがにまずい・・・。

あっ!!と思うやいなや歌いだす青ン坊!

か~な~しみ~にひ~であうたび~(歌詞まちがえないように・・・コードはAmとDmと・・)
あ~の~ひと~をほ~おもいだす~(*^o^*)~(暗い曲だなぁ・・)
そんなと~きぃ~♪そばにいて~♪~(あれ?( ゚д゚)?目を閉じちゃって?!カワイイ!)
か~た~を、だ~いぃて、ほ~しいと~ ミ゚Д゚,,;彡エッ?ナンダ??!!

 

彼女がもたれかかってきた!( *´ Д `)从^▽^ 从  やばい! やばい!!
コードチェンジするとヒジが胸に当たるよぉ!歌詞が飛んだ!!フゥ~mmm~♪鼻歌かぁ?(だってヒジが・・・)

 

なんとか適当にサビを繰り返してボロロ~ンとギターで終わりを告げた。パチパチパチ・・・「さすが上手ぅ( ^ω^)」
「え?・・なんか・・照れるね・・(汗スゲェ)」(言葉がとぎれてる・・って、『北の国から』の火事の後か?)

残念ながら?後はキャロルのノリノリの曲かダウンタウンブギウギバンドの「港のヨーコ・・・」くらいしか空で弾けない。。


弱った。。と思ったら!「そうだ!アルバム見る?!」 イイ!この定番的展開!
「うん。見せてよ」彼女が立ち上がった(ほっ・・)ギターを置く。

タイミングよく?階下から明るい声が。「○○子ぉ!!お茶入れたから!降りてらっしゃぁい!」


おおぉぉぉ!!おかあさん!私たちは決して過ちは犯してませんよ。髪の毛とちょっと胸が、、偶然ヒジにふれただけですよ!!!
なんて青ン坊の思いとは関係なく無邪気で明るい声の彼女。

 

「はぁい!今行くぅ!!じゃぁ、アルバム下で見よう (o^◇^)」

『青ン坊さんって歌もギターも上手ねぇ。。』  

注1)当時はカラオケすらない。
『あ・・( しっかり聞かれてた )・・文化祭にむけて練習したんです。』

 

アルバムには カラフルな服を着た若くて美人の女性が写ってた。(ママさんきれいだったんだなぁ。とか、そんなお世辞はまったく言えなかった)

 

幼い彼女と言えば、全然顔が変わってない(^-^;

「これよく乗ったブランコ。あははっパンツ丸見えだ!」 屈託ない。
『・・・』 彼女にとってもふだんには無い微妙な緊張感が重い。
アルバムにはすてきなスーツの人も写ってた。

(ふぇぇ・・お父さんカッコいいなぁ・・・ママさんのことよりも言えなかった)

その後、どこに住んでるとか兄弟の話とかいろいろ聞かれたけどまったく覚えてない。

(家庭調査?)

 

覚えているのは・・・・・??

 

「 あ~!!動物クッキーだ! 」( 中3ですからまだまだ食い気200%の彼女)
「青ン坊さんにライオンあげる!食べて食べて」 お母さんコッチ見なくていいですよ。 チラッ |ー゚) マァ!!
「あ・りが・・と」 紅茶をひと口。うわっ(やっぱ角砂糖2個は甘すぎた)
「あった~!!( ^ω^)ウサちゃん!かわいい!!(パリポリ)」
確かにかわいい。。え"?!アタマから食うの?ちょっと・・。

「リスちゃんみっけ~!イマイチだけどやっぱカワイイー!!」(パリポリ。。もぐぐ) それも食っちゃうの?ちょ・ちょっと・・。。

「青ン坊くんはどれが好き?」 「・・・・・。」   とりあえず笑顔(*´・∀・)キリン?クビオレテル?
カワイイけどさ。おいしいけどさ。感情移入しながらアタマから食っちゃうの?!

 

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「ママはねぇ。。このクマさんが好きかなぁ・・(パリポリポリ)」
「知ってるよぉ(パリポリ)このクマさんあんまりかわいくないからママにアゲル・・(パリポリポリ)」


(´д`;)怖ぇぇぇぇぇ。。 なんかちがうぞ・・・。

 

可愛いウサちゃんはアタマからパリポリで、可愛くないと人にあげる?!
さっき瞳を閉じて「ふれあい」を聞いてたコはまだ2階にいるのか?双子のちがう方か? ってかオレは今までどんな話してたっけ?アレ?宮沢賢治の「夜鷹の星」読んで泣いたコはどこ行った?


あぁ・・  _| ̄|○ そんなこと考えちゃったらもう食えない。。
ライオンくんゴメン。足だけ・・あぁぁ!!目が合ってる気がする・・。やっぱりダメだ。

紅茶は甘すぎるし。。ママと娘は愛玩動物型お菓子をパリポリ・・・。


なんで東鳩のバターココナッツじゃないんだ。キャラメルコーンとかカールとか・・ジャンクフードが無理なら「リンゴむいたわよ」とか・・・。


やっぱリ日本の冬はコタツでみかんだよ。。

 

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「おれ・・そろそろ帰んなきゃ・・」 彼女だけに聞こえるように言ったつもり。

『あら!夕飯用意してたのに・・。』 ウサギの丸焼きは出てこないだろうけど。
「じゃぁ、アタシ駅まで送ってく。まだ道よくわかんないでしょ」
(駅から家まで2回しか曲がってないからわかるけど・・・)

 

「ごちそうさまでした」
「またいらっしゃいね。これからもよろしくね」
「 また来ます 」(*'-')o(*,",)o ペッコリ
「じゃ送ってくるね」

11月の5 時は少し暮れていた。花のない桜並木。なんかこのまま帰るのはモノ足りない感じだった。


無造作に彼女の肩に手を置いた。添えたといった方が正しい。彼女はうつむき加減でそのまま駅まで歩いた。

 

自分の気持ちよりも彼女の気持ちの方がボルテージが高い感じがしてちょっと気が重かった。 肩に手をかけたのはそんな気持ちの差をどこか隠したかった。信号が変わりそうな横断歩道で手をつないだ。てらいなくできた。

 

改札から出てくる人波をさけるように券売機のはじの窓口の方へ。 

注2)当時の会社員は土曜出勤が当たり前でした。

「今日はなんかバタバタしちゃってゴメンね・・」
「そんなことないよ。きれいなお母さんだね。」
彼女がバッグからノートといっしょになにか取り出した。
「コレ渡したかったの。1人になってから開けてね」

リボンのかかった小さな箱をくれた。


あとコレ。交換ノート。
「ありがと。」 がんばって頭をちょっと撫でた。

「エヘッ」 無邪気に笑う彼女はほんとに可愛い!
「じゃね。」いつものトーン。
「またね。」改札を後にした。


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電車では運よく座れたのでまずノートを開けた。彼女らしい色とりどりのラインマーカーで書かれた「好き」という言葉が目立つ。(面とむかって言われたことはないけど)


正直なところ、それと同じ数だけ 「ゴメン」 と書いて返したかった。 続けて箱を開けた。指輪だった。もちろん高価なものではない。それでもイニシャルは入ってた。ためらわずにはめてみた。
サイズはぴったりだった。

降車駅に着く前にはずした。

指が重かった。

 

この日を機会にはっきりと醒めた自分に気がついた。

 

彼女が好きだったのは"私のような男の子”であって"私”でない、と勝手に思った。少なくとも青ン坊はまちがいなく"彼女のような明るいコ”が好みなだけで"彼女自身”を好きなわけではないと思った。


2ヶ月近く往来したノートには宮沢賢治のこと、好きなアニメ、中間試験のこと、やっと買った洋楽のレコードのこと。。


お互い趣味とか全然噛み合ってなくても書いた。話したくてしょうがないことが一方通行でたくさん書かれていた。どれもこれも、うれしくてしょうがないって書き方で。

 

春が来ても桜が咲いた並木道を並んで歩くことはなかった。

 

(これは以前某サイトにアップしたものを再掲)