昭和の忘れもの。

1960年生まれの青ん坊語り。

ちょっと前にNet Flixで観た映画の話。

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ハドソン川の奇跡」を少し前の休日にNet Flixで見た。

 

シネマコンプレックス

「まだ上映しているのに時間帯があわなくて観れずに終わってしまう」ということも少なくない。

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そんなこんなで、最近、映画はネット配信で見ることが増えてきた。
ツマさんはけっこう時間があるので、Netflixでドラマや映画をいくつも見ていて“私の好み”だろうと思うものを推薦してくれる。

 

ふだんの休みと言えば、バンド関係とその動画編集ばかりやっている私だけれど、たまにこういう時間を持つのは悪くない。


便利な世の中になった。

 

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で。今回は見逃していた「ハドソン川の奇跡」を薦められて夫婦で鑑賞。

クリント・イーストウッド監督の作品はいつも「生身の人」がテーマだ。過去作品もいい。

この映画もまさに「生身の人」が現場でがんばっている姿が描かれていた。
2009年に実際に起きた飛行機事故が題材。そのあたりは劇場用CMで知っていた。

 

実際にCNNなどでこの時の事故の様子を見た記憶もなんとなくある。

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ストーリーはいたってシンプル。

**あらすじ**

飛行機が離陸して間もなくエンジンが鳥の群れによって停止。
機長と副操縦士のとっさの判断から、ハドソン川に不時着。
クルーを含めた155人の生命を救った。

厳寒の1月の川への不時着。近くにいた船などの助けもあって老若男女の誰もが生命を失わずに済んだ。

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まさに奇跡だ。

 

翌日からパイロットは時の人となる。押し寄せるマスコミ。バーで飲んでいても「あんたはまさにヒーローだ」と。まさに有名人。

 

そして事故の検証。川への不時着。「その判断は適正だったのか?」という調査。
生命を救った機長と副操縦士の二人はまるで裁判のような場所で問い立たされる。
「もっといい方法がありましたよね?」ベストな選択だったのか?
その結末は??

と言う話。

 

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ストーリーはいたってシンプル。おおざっぱな語りなら4コマ漫画でも描けそうな話。

だけど。彼が伝えたいものは2時間の映画でも足りないほど。


そのひとつは数理的な処理でするシミュレーションではまったくもって足りない要素がたくさんあると言うこと。
そのひとつは理論と実践はまったくもってちがうということ。
そのひとつは「何を大切にしているか?」ということ。

公開検査の場で語られる「人がやってるんだ」と言う言葉の中に、強いメッセージを感じた。

近代の産業の歴史は「人に代わる機械」の歴史だ。

古くは「産業革命
世の中にはいろんなオートメーションがあふれている。
自動ドアを不思議だとか、すごいと思う人は現代にはもういない。
自動販売機から「ありがとうございました」と声が出て驚く人もいなくなった。

 

今は車の自動運転がテストされている。

AIもどんどん実用化されてきている。

 

便利になることで、恩恵を受けるのは私たちだけど、何がしかの代償も払っているのも私たちだ。


大量生産のための工場は増えたけれど、工員は減った。


腕の立つ職人と芸術家はほんの一握りだけが残る。

人でなければできないことは無くなりはしないが、減っている。

だけども想定外の事態が起きたときの判断は人でないとできないことがまだまだある。

 

どこまで機械が発達しても産業は常に利益を追うもの。

 

■1-100までのものを想定して作られた機械があるとして。


そのうち偶数だけ全部抜いてしまっでも作動に問題ないのでは?とか
20から80までで十分なのでは?とか。。


予算に応じたコスト計算がなされて商品化されている。

 

その設計と試算をした人に、私たちは生活をゆだねられている。もっと言えば人生や生命までもゆだねられている。

 

そうして設計されてできあがったモノを動かす(運営する)人たちにもしも「命をゆだねられている」という意識が無くなったら、川に無事着水できずに多くの命が奪われてしまう。


なんてことまで考えてしまった。

 

ダーティハリー監督作品にハズレなし。だよなぁ。。
特にラストのセリフには拍手もん。よかった。


楽しい時間をありがとう。Net Flixさん。