分析耳の話
ライブを見にきてくれるお客さんはさまざまだけど、
A:バンド仲間
B:音楽趣味の合う仲間
私の場合主にこのふたつが圧倒的に多い。
Aのバンド仲間は演奏テクニックの高い人ほど耳が肥えている。
この耳が肥えているというのはジャーン!と鳴った音を聞いたときに
①ドラムがバスドラとシンバルとスネアをいっしょに叩いてる
②ギターとキーボードは積みの違う和音を弾いてる
(片方がドミソでもう一方がドソドミなど)
③ベースは開放弦鳴らしっぱなしでオクターブ上で厚み出してる
などなど、演奏者を見ていなくても一瞬で分析してしまう。
まぁ、名付けて分析耳で聞いている。
コーラスを聞いても「あ、3度上と5度上ね」などシンプルな和音はすぐに分析して聞く。「なんだか一番上歌っている人ちょっと音程低いかな?」とか。
ドラムとベースのリズム感覚がちょっとずれてるよね?もう少しベースがタイムを後ろ目に取ってドラムのビートに合わせたらカッコイイのに。。
なーんてところまで一瞬で聞き分ける。
それに対して
Bのお客さん:リスナーさん(バンド経験はあっても少ない人)だとそこまで分析しては聞かない。
こうして書くとAの分析耳で聞く人の方が、他のバンドの評価が厳しくなるか?と思われるかもしれないが、実際はその逆の場合がほとんど。
Bの人はふだんプロの音源(CDとかレコードとか、ラジオとか・・)ばかり聞いているからそこらのライブで聞くと「すばらしい=プロのような演奏」か、もしくは「下手=素人臭くて聞いてられない」の二つに分類してしまう傾向がある。
だから、友達のバンドのライブに付き合いで行っても「楽しかった」と感想を言って次から来なくなること多々w(下手で聞いてられなかった・・とか言わないけどね)
Aの人は、ダメな部分といい部分と聞き分けて聞いてくれるので、けっこう温かいアドバイスをくれる。そして、次見た時に、ちゃんと記憶していて「うまくなったよねー!特にドラム!!」なんて声をかけてくれる。
もしくは「あのパートがダメなら、(直らないなら)メンバー考えたほうがいいよ」なんて厳しくもあたたかいアドバイスをくれたりする。
で。前にも書いたけれど。
中学校の校庭でやっている野球部の練習を見ていても楽しい人と、プロ野球じゃないと楽しくないって人との違いがある。
往々にして以前やってた人の方がアマチュアにやさしい。
最高に上手いプレーじゃなくても、その意欲が伝わるプレーを見るだけで元気がもらえるって言う人は、実は野球部OBだったりしてね。
要するに分析耳(眼?)を持っている人は、見て楽しむことに長けているように思えるんですね。
それでも「お金を払って見に行くショー」であるなら、スポーツだろうが、音楽家だろうが、その巧みな技を見たいと思うのは人情。
なんだけど、、私の場合「普通にプロレベルの上手い技」って、けっこうつまらなくてNGなんですよ。それよりも「多少素人臭くてもがんばっている姿」の方が見ていて楽しい。
そう考えると、この10年ほどのAKBファンとかも同じような感じなのかな?となりに住んでるちょっとキレイなお姉さんが歌ってるような感じ?親近感?
うんまぁ、サッカーで言うと、中学サッカーとかJ2とか見てても楽しいし、もちろんW杯見ても楽しいけど、J1の消化試合とかアジアカップの予選とかってそんなに面白くないって話なんだけどね。あははw
ギターで言うとジェフ・ベック本人のライブか?後輩のがんばってるバンドのギターか?みたいなw
あー取りとめなくなってきたので、終わり。(無責任なブログだことw)
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追記:そう言えば、少し前に世界的に有名なサーカスで死亡事故があった。サーカスこそ究極の肉体演技ショーだと思うんだけど、あまりにすごくて途中から刺激が少なくなってきちゃうんだよね。だからスリルというか緊張が見ている最中に減っていく。子どもの頃に初めて生で見た空中ブランコで、わざと「おっと、、落ちそう、、危なかったー」みたいな演技をするんですね。そこでハッと目が覚める。(あーこれ危ないんだ・・)みたいなね。そういう演出はプロこそ必要なわけで。。誰も落ちる場面を見たいと思ってないけど、それを見るとグッと緊張感が高まる。今のサーカスは「もっともっとすごいこと」へ刺激求めて行っちゃってて、あまり望ましい方向とは思えないんだよなぁ。中国雑技団みたいにクルクル飛び回ってるアクロバットって正直面白くないもの。
結局、最上クラスのスタジオミュージシャンが集まって、最初っから最後までCD聞いてるみたいな完璧なAORのライブとか眠くなっちゃうんだよなぁww