昭和の忘れもの。

1960年生まれの青ん坊語り。

社会派のドラマ?

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昨今のドラマや映画(アニメ)のヒット作を見ているとどうも胸が悪くなる。

 

場面ごとの刺激がエスカレートしている。

これ昭和のオヤジだけの感想でしょうか??

 

ドラマも映画も数字を取ったもん勝ちの世界。。

 

で。

番組放映(映画の場合は劇場上映)前に番宣。もう登場人物から時代背景から前半のあらすじからていねいに図解説。。第一話って何?って感じw

 

その番宣(予告編)で一番惹きつける場面が見せ場(クライマックス?)だとしたら、本編見るとがっかりしてしまう。。

 

なにやら視聴者の脳に直接インパクトを与えたいのか?やたらと刺激の強い場面。

話の前後もわからないうちに、お茶の間に番宣ばかりが流れてくる。

 

見ているこちらも神経が麻痺してしまって、

「あぁ連続殺人ね」「あぁサイバーテロね」

「あぁ不倫なのね」「あぁいじめで自殺ね」

「あぁひどい奴が裏切るのね」「あぁ復讐に燃えるのね」

「あぁ美人が襲われちゃうのね」「あぁ人気ありドルがすごい衣裳着るのね」

「あぁ犯人にひどい過去があるのね」「あぁ・・・」

と、なんとも当たり前の出来事になってる。

 

となると、番組製作側は「もっと刺激を!普通じゃダメだ!」となってしまうもので。。なんともこのエスカレート加減がひどい。

 

大袈裟な演出。

キャラ設定やプロットに無理。。

ひどい奴はとんでもなくひどい。

 

題材も「猟奇殺人」「過激なテロリスト」「集団暴行」「暴力的な性描写」「組織犯罪と癒着」などなど、どんどん刺激的に、下品に?なっていく。

 

ただ、これらはまだいい。(ほんとは良くないけどw)

 

巧妙でいやらしいのは、現存の社会問題を取り上げ、さらに問題提起も含めていながらの、、社会派的な顔した駄作。。

 

振り込め詐欺」「反社会勢力」「短絡的な(突発的な)殺人」「家庭内暴力」「差別・排他的思想・優性思想」「SNSによる卑劣ないじめや自殺」などなど。

 

作っている側は「今、こういう事をみんなで考えてほしい」的な?

もしくは「こんな事が実際にある!」みたいな?

どこかリアルな感じ?

 

社会派的なメッセージ色を出して共感を呼んでいて、結局チープな解決策とか、もしくは問題提起のみ(ドキュメンタリーは別として)で「犯人は捕まったけれど、社会全体として考えていかないといけない・・・」みたいな終わり方。

 

 見終わって、振り返って、「で、いったいどうしたいの?」「作った側としては何を言いたいの?」とツッコミたくなるものも少なくない。

 

実際に巧妙な犯罪をドラマで微に入り細に入り描くと、「あぁ、そういうことができるのか!」とか「それならオレも実行するぜ(犯罪行為)」みたいなドラマの模倣犯を引き起こしてしまいそうで正直少し怖いのもある。

 

確かに実際に起きた事件を題材にしているのだろうけれど、ドラマが次の犯罪の在り方を拡散(奨励?)しているような要らぬ心配までしてしまう。

 

昭和の話をすると、煙たがられるのは承知の上だが、テレビのゴールデンや映画で「流血はダメ」とか、「裸はダメ」とかいろんな規制があった時代は【わかる人にはわかる】でよかった。

 

笑い話にもなっているけど、「キスシーンの次は暖炉の火が燃えている」とか、「ナイフのアップの後にはカーテン越しに人の影が倒れていく」とか、そんな映像でじゅうぶん【わかる人にはわかる】作りになっていた。

 

名画「シャイニング」のように、「怖さ」の実感は、見る側の想像力に委ね、スプラッター的な残虐な場面は映さなくても伝わってきた。

 

想像すればするほど怖くてぞっとする、、で十分でしょ?

もしくは想像(感情移入)するから泣けてくる、、で十分でしょ?

 

ただ、残念なことに、見ている側の想像力はどんどんと低下していて、直接的にその場面をこれでもか!と【えぐい場面を見せる合戦】になっちゃってる気がする。

 

もちろんすべてそうだとは言わない。

 

言わないけれど、想像力の乏しい視聴者に向けてどんどん直接的に残虐な、お下劣な場面が増えてしまってきているのは確かで、、いやぁ何ともはや。。

 

まぁ「刺激の少ないドラマ?そんなん誰も見ないよ」と言うなかれ。

 

しっかりとていねいに作って、視聴者の中にも想像力が残っている人をターゲットにしたものを、どこかで信じて作り続けてほしい。。

 

良質な作品は大げさな駄作に勝てないのかなぁ。。