ある説によれば2015年~2016年あたりは「20世紀の人」がいなくなる時期らしい。
アナログの終わりというか、20世紀からの時代が移り変わっていくことに対応できない人が死んでいく時代だという。
とまれ今年は年初から音楽界(とりわけポップス界&ロック界)の巨星が逝った。
1/10 デヴィッド・ボウイ
私は80年代のレッツダンスツアーを武道館で見たんだけど、ひたすらカッコよかった。ステージ演出はオシャレだし、斬新だし。そのライブで機材のトラブルなのか?何かが間違っていたのか?わからなかったけど演奏が止まってしまった場面があった。で、いつもクールな彼が「ハハッ」と笑ったんです。その笑顔(素の顔?)がすこぶるカッコよかった!地球に落ちてきた男が黒い星となって逝ってしまった。
イーグルスもホテルカリフォルニアの大ヒットのときの来日ツアーを武道館で見たんだけど、なんともいいバンドでした。
2/3 モーリス・ホワイト(アース・ウィンド&ファイヤー)
アースは見てない。見てないけど好き。ディスコと呼ばれていた頃の踊り場でコレがかかると今で言うところのアゲアゲな空間になった。ダントツに楽しい曲をたくさん世界に提供してくれた偉大な人だったと思う。なにせゴージャス!
3/8 ジョージ・マーティン(ビートルズのプロデューサー)
この人みたいに「世界的な波」を造る人って名曲を作るミュージシャンと同じように何かが降りてくるんだろうなぁって思います。巨星というカテに入れていいのかわからなんですが、とんでもない作品を世に送り出した天才。
3/10 キース・エマーソン
EL&Pのステージは2度観てますが演奏の円熟味としてはブラックムーンのツアーだったと思う。もちろん演奏スタイルとか見せ場は70年ころにほぼ完成していたと思うんだけど。THE BESTというwowwowの企画バンドで来日した時にサイモン・フィリップス(ds)と故ジョン・ウェントウィッスル(bass)と3人でAMELICAを演奏した時は全然別モノで、これがまたすさまじくよかったw演奏家としてでなく作曲・編曲・プロデュースなどで生きてくれてもよかったと1ファンとしては思うのだけれど・・・。
日本人の奥さんもかなりショックを受けていたことがメディアから伝わってきて、それもまた悲しかった。まさか自ら命を絶つなんて。。今頃はアルマジロ戦車に乗って遊んでくれているかなぁ・・。
4/21 プリンス
このブログの書き出しで20世紀の人と書いたけれど、個人的な言い方をさせてもらえるなら「20世紀に独自の世界を構築した人」という表現の方が近い気がします。
プリンスは間違いなく時代の中でひとつの大きなお城を構築して、王子と言う名の王様だった。
バットマンが大ヒットした頃のツアーを地元横浜にある神奈川県民ホールで見た。ステージは終始暗めのライティングだったので、私の席からよく見えなかったけれど、頭の中はあっという間に真っ白になり、沸騰したままの、まさにトランス状態のライブだった。終わってから連れ立った友人2人と洋食屋に入って話したんだけど、うちら3人とも何が何だかわからないまま興奮していて、みんなどんな曲をやったかもわからないほど。覚えているのはオープニングとパープルレインで席に座ったことくらいw
GSで卒倒してしまう女性や、プレスリーがステージに出てきた瞬間から大泣きしてしまう気持ちが少しわかったような気がした。プリンス城はトランス体験型アトラクションのようだった。
言われてみれば、この底知れぬ天才も21世紀になったころからあまり目立たなくなっていた気がする。死因はなんであれ、惜しい。くやしい。
5/5 冨田勲
世に言うTOMITAサウンドというシンセサイザーを駆使した作品よりも、幼い頃に手塚アニメで聞いたジャングル大帝の音楽の方が好きでした。
もちろん世界的にその名を広めた電子音楽でクラシックを奏でたものはすばらしいのですが。。
ここまで書いてきて思ったのだけれど、20世紀の音楽界を彩った人たちはみな先駆者だったなぁと。
60年代70年代は日本を初めとして、世界中が模索の時代で、混沌とした中からとんでもない先駆者たちが独自の世界を作り上げて成功した時代だったように思います。
もちろん20世紀の前半にもすばらしきアーティストはいましたが、いかんせん戦争なんてものがありましたので、どうしても後半の話になってしまいますが。
あえて書くなら電子音楽の作品の中ではドビュッシーが好きでした。(最近の作品とかは聞いてませんので全体を知って語っているわけではありません。すみません)
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11/13 レオン・ラッセル
小学6年の頃兄が聞いていたカーペンターズのヒット曲「スーパースター」「ソング・フォー・ユー」の二つが彼の作品だと知ったのはそれから数年後。初めてレオン自身の歌を聞いたときには「ひどい」と言う記憶しかなかった私ですが。。
それからだいぶ経って社会人になってからレオン・ラッセルを聞いたときに初めて「あ。これいいな」と思った次第です。
実は先週湘南を中心に活動している歌手のPEKOさんの弾き語りを聞きに行ったら、1曲目がりりぃさんの曲で、二曲目が「ソング・フォー・ユー」でどちらも心に染み入る歌だったんですが、それとは別に彼女の曲紹介を聞いて腑に落ちたことがありました。
「スーパースター」は以前彼が売れないころにお付き合いしていた彼女が、スターになった元彼に歌った切ない歌。
「ソング・フォー・ユー」は以前に付き合っていた彼女に向けて、スターになった男が、その思いをこめて歌った歌だそうです。歌のモデルがいるんでしょうか、詳しいことはわかりません。
それでも、(わからなくったって)その話を聞いてさらに曲の詩がしみてきました。
こういう心の機微をあのしゃがれた声で聞くと、カーペンターズとは違った面が来るわけで。(PEKOさんの歌で聞くとこれまたいいんですw)
そんなレオンさんも向こう側へ逝ってしまいました。
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11/10 レナード・コーエン
彼の低い声はなんだか体に直接響いてくるような、そんな歌声だった。
代表曲の「ハレルヤ」の訳詩を見ながら聞いているとなんとも温かく、なんとも悲しく、そしてどこか勇気付けられる。
彼の作品を多くは知らないけれど、散文的な詩が多くて、聞いていると沁みてくる。
サッチモの「What a wonderful world」のような世界が広がる独特の歌声だった。
こういうボーカルは世界を探してもなかなかいないと思っている。私は生で見たことはなくて、ほんとに残念です。
さて、12月を迎えたばかりですが、2016年に逝ってしまった音楽界の巨星たちをまとめてみました。もちろんここに掲げた人たち以外にもスポーツ界や文学界、アートの世界、テクノロジーの世界などなど惜しまれて亡くなられた巨星たちはいらっしゃるんでしょうけれど。。
クリスマスの3連休にクリスマスキャロルを聞くのもいいですが、ちょっと振り返って彼らの音楽を聞くのもいいかなと思います。
さて、ココまでが逝ってしまった巨星で、ここからは来年以降に来る人について少し書きます。(逝く人来る人みたいなノリですけど)
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来る人となれば新しき才能の開花とか、メジャーデビューが決まってこれから人気爆発する人などをイメージするのですが、正直今の時点で興味がわく人がいない、、と言うか、「商業的な成功=定番」になっている感じなのです。ブレークする人はもちろんいるんでしょうけれど。
なんか世の中のヒットがどれもコンビニ的と言うか、ユニクロ的と言うか、ファストフード的と言うか・・・。
それに対して自分の好みは専門店的と言うか、マニア向けと言うか、そっちなので定番ものには興味がわかないのです。
例えて言うなら「2017年はセブンイレブンよりローソンが熱い!」みたいな話には興味ないというような感じでしょうか。
残念ながら音楽業界の現状は「こういうのが売れるから、その線でいこう」とミュージシャンがプロデューサー(レーベル?)に縛られている印象です。さらに言うと、ミュージシャン自体が「こういうのって売れそうだから、その線(定番)で作りました」みたいな。。音楽に限ったことじゃなくて、マーケティング先行でハズレは困るみたいな風潮が、なんともつまらないんですね。そういう意味では上に掲げた人たちはみんなオリジナリティが強くて、その個性ゆえに人が魅了され続けたんだと思います。
それでも2016年の邦画で「シン・ゴジラ」と「君の名は」って2つばかり売れたのが救いかなぁ。。PPAP(まったく趣味ではないけど)はヨウツベで火が付いてよかったねぇ・・くらいかな?
と言うか、、若い世代って個性的な洋画とか洋楽にはあまり興味ないんだねぇ。。
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