昭和の忘れもの。

1960年生まれの青ん坊語り。

エコーチェンバー現象

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先日の某国営放送の番組で「エコーチェンバー現象」について解説していた。

 

Wikiでは番組同様「フィルターバブル」についてもふれている。

エコーチェンバー現象 - Wikipedia

 

ひらたく言えば「同じような考え方(感じ方)の人たちの中で、あるひとつの意見に賛成・同意をしあうことで、「あるひとつ」がどんどんと増幅していく」というようなこと。

 

ネットの(SNSなどの)あるコミュニティの中で「私は○○だ!」と意見を言った時に、多くの賛同(イイネ!やりツイート)が得られて、気が付けば、他の意見を寄せ付けない人ばかりのコミュニティ集団になっている現象。

 

 

以下の話はエコーチェンバーとちょっと違うけれど、昔の職場のK君を思い出した。

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K「ねぇねぇ、あの人のこと聞いた?」とやってきて他人の醜聞を話す。

私「いや、知らないけど・・・」

2,3日するとまた「ねぇねぇあの噂聞いた?」と話しかけてくる。

私「あぁ、それならM君からも同じこと聞いたよ」と言うと

K「あー、、やっぱり噂はほんとうなんだ!」なんて言うもんだから

私「M君はあなた(K君)から聞いたって言ってたよ」と話すと

K「なんだ、噂の元はオレ?」とおどろく。

噂を流した本人が、その噂がまわりまわって他から聞こえてきて、確信してるんだけど、元はと言えば、全部K君ひとりで流した噂。

 

いやいや、これ笑い事じゃなくて、作り話でもなくて、ほんとにあった話。それも何度も!!

 

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 K君は何かで思いついた推測を【いち早く】【刺激的な】【醜聞】として周りに話すことで【自己顕示】をしたかったんだろうなぁ・・・という点で構造、心理が似ている。

 

ただ、当時はSNSもネットも無かった時代だから、聞かされている周りは、彼のことを知っている人ばかり。だから【話半分】で聞き流していた。

 

それでも当時、被害者は少なからずいた。

事実私も変な噂を流されて困ったことがあった。

 

 

今はSNSで何千、何万の人に推測からの「噂」でも、拡散されてしまうことが少なくない。だからフェイクニュースが広まるのは早い。

 

 いつの間にか【想像・予想】→【噂・デマ】→【周知の事実】となりかねない。

いや実際なってきている。見ず知らずの多くの他人を偏った意見が動かしてしまっている。

 

だから国営放送でも取り上げた。

 

www.nhk.or.jp

 

エコーチェンバー現象となってしまうと、いつのまにか「正しい」「真実だ」と信じ込む。

そして「オレはそうは思わない」とその集団に言ったとしても、攻撃されるか、跳ね返されてしまうか無視されるか仲間はずれにされてしまう。これはこわい。

 

そして、残念なのはその内容の多くが否定的で攻撃的なものばかりが目立つ。

  

みんなどれだけストレスたまってるんだ?

 

 

番組の中で印象的だったのは

「昔は『いろんな人の意見を聞くことが大事だ』と言ってたが、ネットにはまってから家族の意見ですら聞かなくなってしまった」という娘さんの言葉だった。

 

 

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仮にサイコロ振って「2」が3度続いて出たら、このサイコロは「2」しか出ない!(イカサマ用だ!)とでも言わんばかりのお話だ。これだけなら笑い話ですむのだけれど。。

 

 「今回たまたま「2」が続いたんでしょ?でも次はわからない」と頭の片隅のフォルダーに格納しておくことができない。

 

起きた事象にそれ以上のレッテルを貼らずにそのままデータ保存することができなくなっている人が増えた気がする。

 

昔の人はレッテル貼って騒いだところで「あいつは懐(ふところ)がせまい」とか「考えがいつも短絡的」とかって揶揄したものだけれど。

今はSNSというツールで、何万人、何十万人に膨れあがってしまって、とても揶揄してなんていらない。

  

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戦争に勝ったとしても、外国人を悪者にしても、けっしてその国はゆたかにならないと言える場所も少なくなってきて、こうして嘆きのブログを書くくらいしかない。