昭和の忘れもの。

1960年生まれの青ん坊語り。

甲状腺ガン手術後の放射線治療と美味しいお店の話。

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今週のお題「夏を振り返る」

 

4月に甲状腺癌の摘除をして、経過も順調。

 

aonbo.hatenablog.com

 

血液検査などの結果は月を追うごとによくなり、薬の投与は少し減った。

そして月に一度の定期検診を受けに行った7月。

 

担当医から提案があった。

放射線治療を受けておきましょう」

(???)

頭の中にどこぞの放射線によって甲状腺癌ができたと思っている私には爆睡中の耳に汚染水と言った響きがあった。

 

「癌の摘除手術は問題無かったのですが、細胞レベルで癌が体内にある可能性があります。この放射線治療にてその癌細胞を無くすのが目的です。これは再発防止になります。効果がかなりあると実績が出ています」

とのこと。

 

つまりは再発防止。

ただ、費用は保険適用でも数万はかかる。

人並みな預金も無く、7月で失業保険は無くなり、さて就職しなきゃ!と思っている矢先にこの話。人生予期せぬことが待っているもんだ。

それでも再発するよりは貧乏の方がいい訳で。

8月の終わりに受けることとなった。

 

さて、受けるにあたってやることがある。

①薬を2週間投与しない。

②食事によるヨードの摂取をしない。

この二つ。

 

ヨードの摂取をしないのは4月の手術の半年前から行っていたので、どんな食べ物、飲み物などに含まれているのかはほぼわかっていた。

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単純に海藻類を食べないこと。海藻類の成分が含まれている昆布だしなどの煮物、鍋物がNG。

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さらにゼリー、アイス、乳製品、プリン、豆乳、卵、魚卵、ソーセージ、かまぼこ等(加工食品)などは控える。

 

また、それらが含まれている可能性があるコンビニ弁当や外食は基本的に避ける。

 

まぁ基本的に2週間の我慢だし、慣れていると言うか理解はできてるから特段問題は無かった。

要は外食せずに、パンとコーヒー(ミルクなし)に肉料理、蒸し野菜に塩やポン酢、和食は基本ダメだよって感じ(雑な書き方でごめんなさい)

 

だけど①の薬を投与しないこと=ホルモンバランスがくずれることがどのくらい日常生活に影響を及ぼすのか?は未知だった。

 

8月中旬のライブの頃から薬を止めて、わかったのは体がだるくて眠いこと。

食事をしたら、すぐに寝てしまう。これによって生活のリズムが狂った。

このダルさは歌の練習にかなり影響した。(やる気があまりおきないのね。。)

 

結局、歌とギターの個人練習はできずにリハで頑張って8月下旬のミニライブはなんとか乗り切った。

 

さてさて前置きが長くなったが、本番の放射線治療についてである。

 

治療と言っても、経口カプセルを1つ水で飲むだけ。

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昔読んだAKIRAにもカプセル飲んでた場面あったなぁ。。

 

昨年から手術まで何度も通った病院だけど、今回の放射線治療受けるまでこのマークの扉があること自体気づかなかった。

 

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で。当日は血液検査を受けて、診断を受けた。

おそらくちゃんと薬を絶っていたか?と同時に数値に現れているか?の確認をしたようですね。

きっちりと日程を守って指示通り4週間前に薬を変えて、2週間前からは何も飲まずに望んだので数値にも現れていたようです。

 

で。その後にこのマークの貼ってある扉の中に入った。

この中には放射線が飛び交ってるんでしょうか??

 

詳細はわかりませんが、ここで注意を受けてから水とカプセルをいただいて飲みました。飲んだ後はこれまた別の部屋へ。

 

先に女性の患者さんが座っていました。

この部屋で1時間ほどしてからトイレで尿をたしてまた診断。

 

途中かなり冷房がきつく感じたので(甲状腺疾患の人は寒さに弱い)

先の女性に「寒くないですか?」と声をかけたら

「寒いですね」と言うので扉を開けてナースステーションへその旨伝えた。

 

空調を調節して設定温度を上げてくれたナースさん。

「勝手にドアを開けないでください。ご用があればインターホンで呼び出してください」とのこと。

 

あぁ私たち二人は今放射線を放出しているんだなぁ・・と実感。

と言うのも体に変化は全く感じられず、私は待ち時間用に持参した本を読んでいただけ。

ほどなく1時間が経って、トイレに行ったが尿は大して出なかった、、と思う。

 

それからまた例のマークの部屋へ移動。

放射線の測定をしたけれど第一声が

「トイレは行きましたか?」だった。

あぁ、まだ体内にかなりの量が残っているんだろうなぁ。。と思ったけれど行ったことは行ったので

「はい。」とだけ答えた。

 

測定をしてくれた担当医(放射線技師?)の人は

「はい、では終了です。今日は薬も会計もありませんのでそのままお帰りください」

ってな感じで、ちょっと拍子抜けで帰宅。

 

それから3日後にまた検査。放射能が効いたかどうかを検査。

この3日間はとにかく眠い時間が多くてよく寝た、程度。どこに痛みも熱さもなく、ちょっとだるいだけ。(ちょっと安心した)

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検査はMRIみたいな音もせず、ただ体の近くを機器がゆっくり過ぎていくだけ。

(全身レントゲンみたいな?)

 

これによって、画像に黒点で効果のあった箇所がわかる。

その画像を見せていただいたけれど、カプセルを消化した胃と、喉元付近が一番黒くて、その他は点在していた。

 

担当医の話だと、効果は十分あったそうな。

 

理屈としては体内に同位元素を取り入れて、がん細胞がそれを吸収して滅するそうな。

 

先にも書いたが、体がだるい程度で眠いだけ。

この日を含めた3日間はトイレをよく流すこと。汗をかいた下着を家族のものと一緒に洗わないこと、などの注意点を守って日常生活に戻る。

また、放射線の影響としては、カプセル飲んでから3日間は4時間同じ部屋(車や電車は1時間)に誰かと一緒にいないこと。寝る時は一人で。旅行は禁止。仕事(している人はね)も禁止。

キスは10日間禁止。子作りは男性半年禁止(女性は1年)と、放射能被爆者に変わりはない。

 

10日が経って、線量も減って、他人様へ迷惑をかける心配もなくなって。

もちろん食事制限も無くなって。。

 

嬉しくてうちのツマさんと一緒に和食を食べに世田谷は東松原にある「小春食堂」へと出かけた。

https://www.facebook.com/koharushokudo/

ここは最近知って、初めて訪れた、音楽仲間の集まる美味しい和食のお店。

美味しいだけでなくて、コスパもよくて嬉しい限り。

 

仕入れによって、その日の特別メニューは異なりますが、いただいたのはマグロのカマの煮付け+ノドグロの塩焼き+シメサバ。最後に自家製ケーキww

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その身の柔らかさに頬が落ちる。

 

料理だけでなく自家製ケーキもめっちゃ美味しい。

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生クリームの甘さが抑えてあって飲んだ後でもとっても美味しい。

 

何より、いろんな所に細やかな心配りがあって、カウンター席もテーブル席も笑顔があふれている。おそらく疲弊した私の細胞たちまで?喜んだお店でした。ごちそうさまでした。そしてありがとう。

 

癌に効くのは放射線よりも美味しい笑顔が一番だと思うので、うちら夫婦も機会あるごとに行ってみたいお店でした。

 

暑くてだるかった夏が、美味しくて楽しかった夏の思い出に変わった夜。