ものごころ付いた頃から横浜に住んでいる。
生まれた時は東京の大田区にいたらしい。
親の都合で何度も引っ越した。
小学校は2度の転校で3つ。
それも4年生の夏から6年までしか行ってないのでクラス会も何も出ていない。
記憶に残っているのは東横線の日吉駅からひとりで渋谷に何度か行ったことくらい。
渋谷にはプラネタリウムがあって「東京はすごい」なんて思ったものだ。
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高校2年の時に親がマイホームを購入。
高校でバンド仲間と遊ぶようになった私は「転校はいやだ!」と言い張った。
通学時間は増えたけど残りの1年ちょっとは通いきった。
高校時代はどっぷりとロックにはまり、自身バンドを組んだこともあって、東京でのロックコンサートには何度も行った。
武道館で初めて見たロックバンドはKISS。
片道1時間半かけて行った武道館はすごかった。
日本のロックも盛んになって、一番印象深かったのは渋谷で77年 NHKロックフェスティバル。
Char、四人囃子、カルメン・マキ&OZ、上田正樹とサウス・トウ・サウス
高校生だったこともあり、バンド仲間の女子もいっしょだったこともあり、最後の上田正樹とサウス・トウ・サウスは見れなかった。
横浜に帰るのに渋谷で22時を過ぎると最終バスがなくなってしまうという理由で。
他にも青年館、後楽園ホール、渋谷のライブハウス「屋根裏」などなど東京のコンサートの思い出はけっこうある。
でもいつも帰り道に思ったのは、東京は遠いなぁ・・という思い。
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学生時代のロックバンドの話にはもう一つエピソードがある。
高校3年の頃。バンド仲間の知り合いが東京の高校の文化祭で演奏すると言う。
そのバンドを見に行って驚いた。とても高校生のアマチュアとは思えないレベルの高さ。さらに、自分の学校の文化祭とちがって下手くそがいないw やっぱり東京は違うと思った。
大学に入ってからもバンドは続いた。大学となると地方から来る学生も多い。
けれどメンバー5人のうち3人は東京在住。その東京組のメンバーの音楽話の深さにも驚いた。
家にあるレコード、カセットの数、音楽雑誌の数、見に行ったコンサートの数、ロックっぽいデザインのTシャツの数。。情報量が圧倒的に違う。
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10代、20代と「東京じゃなきゃダメだ」と思っていた私は「横浜は遅れている」とか、「横浜じゃロックバンドはできない」なんて事あるごとに感じていた。
やっぱり文化の中心は東京。
見に行きたいコンサート、ライブハウス、単館上映のヨーロッパ映画、演劇、サブカル的なイベントはいつも東京で、横浜開催となると年にひとつあるか無いか程度。
「横浜は東京に一番近い田舎」
これが横浜に永らく住んでいる私の持つ横浜感。
社会人になって最初の勤務先は東京の四谷だった。
そこには地方から出てきた同僚、先輩も多かった。
ちょっと仲良くなった人と住んでいるところの話になることは多い。
「どちらに住んでいるんですか?」
「横浜の郊外です」
と言えば大半が「いいところに住んでるね」と返ってくる。
そう言われると私は決まって「横浜は田舎ですよ」と話す。
相手は「いやいや、横浜は都会ですよ。住みたい街のナンバー1でしょ?!便もいいし」なんて言われて正直おどろいた。
なんだか、、私が謙遜して言っているように聞こえたようで困ったことさえある。
確かに横浜駅から徒歩5分あたりに住んでいるなら、便はいいけどね。。
逆に、最近は横浜の郊外に勤めていて、勤め先で住まいの話になることもある。
そこで「週末は新宿に用事があって・・」なんて言うと「え?東京へ行くんですか?!お気をつけて」なんて言われる。
横浜から新宿って小旅行??
と言うか、田舎特有の「ふだん地元から出ない」人が多い。これは若い世代でもそうみたい。
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外から見た横浜の印象と言えば、横浜駅界隈、元町~中華街~山下公園など観光地のイメージが多い。
元町~山下と言えば、昭和の横浜の中学生には「不良が多くて怖い」町だった。
ケンカ、カツアゲ、シンナー。。
桜木町から少しのところにある寿町は古くからドヤ街で、昼間から酔っぱらいのおっさんばかり。夜歩いていれば娼婦のおねいさんが街角で客を誘っているし、こわいお兄さんたちもたくさんいた。電柱からは小便の臭い。。
横浜市民の多くは近づかないようにしていたところ。
まぁ「新宿区に住んでいると言っても歌舞伎町に住んでいるわけじゃない」みたいな、、そんな感じと言えば都民にもニュアンスは伝わるでしょうw
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80年代に埋め立てられて登場した みなとみらい は、とてもきれいで、観光地として名高いけれど、、やっぱり住むところじゃない。
今後もし横浜カジノなんてできたひにゃ、、家族旅行に行く場所からも遠のいてしまうかもしれない。
カジノについては、住民でかなり反発運動が出ているけど、、どうなるんだろ。。
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実際、横浜市内はどこに行っても坂だらけ。それもあって、バス路線沿いに住んでいる人は多い。
鉄道で言えば、東急東横線、田園都市線、京浜急行、東海道線、京浜東北線(根岸線)などたくさんある。そしてそれらの沿線の駅から徒歩10分圏内はさすがに土地の価格が高い。
だからそこからバスに乗るか、もしくは一戸建ではなく、駅から徒歩圏内の集合住宅に住むか。。まぁ富裕層は別の話ですけれど。
事実、私の家も坂の上にある。
京急沿線の最寄駅からバス10分、バス停からは歩いて10秒と言ったところ。
便がいいのか悪いのかよくわからないけど、夜遅く帰ってきて、最寄の駅から上り坂をずっと20分歩くのはつらい。結果、最終バスの時刻は(平日も土日も)暗記している。
「駅からバス便」と聞くと東京都民なら「住むのに不便なところ」という印象になるかもしれない。けれど、横浜市民でバス路線沿いに住む人はとても多いし、バス路線もかなり発達している。
そんな町ばかりだから、横浜の女子高生が東京のライブ見に行った時は最終バスの時間を気にしてそれまでに帰宅する。
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たまに横浜をよく知っている人が
「横浜ってどこ行っても坂が多いね」と言う。
※横浜市戸塚区
おそらく横浜に知人か親戚でもいるんだろうなぁと思う。(複数の知り合い?)
「駅名や地名に、”塚”とか”台”とか”岡(丘)”って付いてる名前が多いでしょ」
なんて言葉を返せば、妙に納得される。
駅名でパッと思い浮かぶだけでも、青葉台、洋光台、港南台、戸塚、上大岡などなど。。
もし、あなたがこれから横浜に住みたいと思っているなら、不動産広告に惑わされずに 横浜市に住んでいる誰かに訊いてみてほしい。
「横浜に住むならどこがいい?」
横浜駅界隈やみなとみらい界隈を勧める人はまずいない。
そして実際に横浜に住んでいる人が答えるなら、先に書いた鉄道の順による地代のランキングをほぼほぼ知っているw
高い方から、東急東横線、田園都市線、京急線、JR東海道線、京浜東北線(根岸線)、相鉄線、横浜市営地下鉄と。。(もちろん駅によっては人気or地代の高い地域もある)
そして「子育てには〇〇がいい」とか、「都心に通うには〇〇がいい」とか、バラバラな答えが出てくるかもしれない。
その〇〇という地域は、尋ねたあなたが思う横浜のイメージとはほど遠いかも?!
さらに、田舎特有の「マイカーもってないとけっこう不便だよ」なんてアドバイスをくれる人も多いかも。
ね。田舎なんです。
まぁ都会に近い田舎だから住み心地が悪くないとも思えるような歳になった。
そうそう、そう言えば最近は子育てママに人気の電動アシスト付き自転車の普及がすごい。
どこ行くにも坂ばかりですから。
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