昭和の忘れもの。

1960年生まれの青ん坊語り。

スタジオ「プリウス」1000回歌っても文句無し。

スポンサードリンク

私はアマチュアバンドをずいぶんと長くボーカルやっているけれど、うちのツマさんは違う。ずっと見る側の人。

 

そんなツマさんに課題曲を与えて「これ、ライブで歌ってよ♪」と言ったら、本人は「とても無理。だって下手だもん。」と即答が返ってきた。

 

とある日曜の昼下がり。自分のバンドでやる曲を口づさんでいた。

 

横でツマさんが吹き出した。

ツマさん「なーに?その曲?なんだかひどい歌ね」

私「うーん、、まだ練習中だから。。」

ツマさん「練習不足だと、音痴なのね~」

からかい半分だけど本音だ。

私「(音痴?)うーん、いつも100回は歌わないと人前では歌えないよ。(この曲は)まだ10回くらい?これからこれから(笑)」

 

ごくごく当たり前のことだけれど、歌は(天才歌手をのぞいて)練習しなきゃうまくならない。

 

逆に言えば、歌は練習すればうまくなる!

(旦那(私のこと)が100回練習してから人前で歌うなら、私は300?500回くらい練習したら人前でちゃんと歌えるかも?)

うちのツマさんってば、妙に気合の入った決断をしたそうな。(本人後日談)

 

で、前に課題として挙げた曲。

これを車の移動の際にカーオーディオでずーっとループ再生したらしい。

 

日本語の歌ならまだしも、歌詞は英語。元々知ってた曲でもない。

ネットで調べた歌詞カードはあるけど、流れるメロディの中で、

どのタイミングで単語を切って、伸ばして、どこで息吸って、どこで張り上げるのか?

まったくわからないところからスタート。

 

ちょうどその頃、ツマさんは車で毎週行く仕事があったので往復3時間の道のりの間中、ずっとその曲をかけて聞いていたらしい。(これまた本人後日談)

 

3時間の往復に加えて、近場のお買い物に行く際も、ずっとこの曲。

頭の中で歌詞と「音」がなんとなく一致するまで、まずは聞きまくったとのこと。

 

おそらく2、300回は聞いただろう頃に歌詞カードを見たら、歌詞の運びがわかってきた。

歌詞の運びがわかってきたら、「聞こえてきたように歌う」ことにも慣れてきた。

 

いわゆる「歌詞まわし」が理解できたわけで、それから彼女は歌う練習に入った。

場所はマイカー「プリウス」の車内。

 

通称スタジオ「プリウス

 

ここで彼女は歌った。歌っただけでなく、自分の歌とカーオーディオの歌をいっしょにスマホで録音した。それを聞いて、、ガッカリした。

(なんだ、歌えるようになったと思って聞いてみたら、ひどい!)

ただ、そこでも例の会話を思い出したそうな。

(まだ歌覚えてから100回も歌ってない)

それからもスタジオプリウスで100回くらい歌っては(ちょっとは上手くなったかな?と思って)録音した。

それでもまたガッカリ。また気合を入れなおす。その繰り返しだったそうな。(本人…)

 

何百回歌ったのかわからなくなってた頃に、私にポロっと言った。

「ねぇ、カラオケボックスに行かない?」

ふたりでカラオケボックスに行って、初めて私のギターをバックに例の歌を歌った。

 

おどろいたのは私だ。

「あれー!もうマスターしちゃってるじゃん!!」

彼女は私に褒められても、得意な顔ひとつ見せないw

「うーん、もう一回歌わせて、、ちょっと録音するから」

カラオケボックスで数回録音したものを、帰りの車の中でまた聞いている。

 

「飽きる?」とたずねたら

「だんだんと、少しずつだけど、歌えていくのがわかってきたから、全然飽きない!」と彼女。

 

それから1~2か月経って飛び入り的に彼女は歌った。

いつもの音楽仲間から、ほんとにたくさんの拍手をもらった。

でも歌い終わった彼女は困ったような笑顔で「ヒザがふるえて止まらないよー。。」と言ってた。

 

カーオーディオの使い方としちゃ、マニアックだけど、誰にもじゃまされず、迷惑もかけずに車でずーっと同じ歌の練習している人もいるって話。

 

コレがかれこれ6年以上前の話。以来彼女のオハコになってる。

 

「胸いっぱいの愛を」


Whole Lotta Love [ Aco.cover ]

 

 でも、いきなり「500回は歌ってからじゃないと人前じゃ歌えない」なんて言われたら、ドン引きだわなw

 

 

カエライフ×はてなブログ 特別お題キャンペーン #ドライブと音楽