昭和の忘れもの。

1960年生まれの青ん坊語り。

「はじまりの詩」「ONCEダブリンの街角で」ジョン・カーニー監督

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の新作を見ようか迷っていたけど、前作2つを観ることに。

 
「ONCE ダブリンの街角で」


アイルランドの景色は暗い。チェコからの家族の部屋も暗い。それぞれの事情のある二人が音楽を通じて出会い、心を通わせていく。
明日に大きな希望は無くとも、小さな光を求めて日常から脱していこうとする姿がとてもいい。


ONCE ダブリンの街角で(字幕版)(プレビュー)

いっしょに音楽を楽しむ中にほのかな愛があり、そして、現実の生活がある。切ないけれど、悲しくはない。
大人な二人の機微を描いた秀作だったと思う。

 

もうひとつ。

  「はじまりの詩」


これは劇場公開の初日に新宿で見たのだけれど、ツマさんと自宅で鑑賞。
同じ監督ながら、舞台はNY。アイルランドに比べたらグッと明るい。そして都会だ。


キーラ・ナイトレイ主演『はじまりのうた』予告編


題材はやはりアマチュアミュージシャンなんだけれど、こちらは音楽業界のあり方にひとつのクールな提示をしながら、現代的に展開していく話。


シンガーソングライター演じるキーラ・ナイトリーはとてもチャーミングで、聡明で感性バツグン。
かたや、ヒットが出ずにレコード会社を追われた中年プロデューサー。そんな二人が偶然ライブハウスで出会う。
男女間に恋愛感情は生まれないが、お互いを認め、尊敬し、いっしょに音楽を作っていく様が楽しい。


CDが売れなくなって、経費カットして利益を出そうとしている音楽レーベルに対して、本物の才能ある主人公たちが自由に音楽を作っていく。


何よりラストの痛快さ。とっても気持ちいいカタルシスがある。前作ともに使われている楽曲がいいので文句なしに楽しめた。
印象的な良いシーンがいくつもあって、とても良かった。

と、いうことで新作「シング・ストリート」も近々観てみようかと思う。