昭和の忘れもの。

1960年生まれの青ん坊語り。

娘と「MONSTER 浦沢直樹著」の感想を話したこと。

(このブログは数年前に某サイトに投稿したものを編集したものです)

 

それほど親しくない人から「趣味は何ですか?」と訊かれたら「バンドやっているので、ギターです」と答えると思うんだけど。 

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本当は人とのやりとりが好きなわけで。それがバンドだったり、音楽だったりってことで、言うなればバンドや音楽は媒体なんですね。

 

要するに音楽を聴くとか、絵画を見るとか、マンガを見るとか、演劇を観るとか、映画を観るとか・・・って全部、向こう側の(作った)人の偏り方が面白い

 

それとは別に読書ってのもいいもので。もっと広く言えば「字を読む」ってことも好き。これも当たり前なことだけど向こう側に書いた人がいるわけで。これは文字で描かれた舞台(風景)や中の人たちを想像して楽しむことができる。(ある意味絵がないことが利点なわけですね)

 

 中にある日常の機微や、創作の中に登場する人物の思いに共感するのもまた楽しい。

はたまたとんでもないプロットから思わぬ展開をして、感動的な場面に出くわすのも楽しい。

 

エンターテイメントに徹して楽しませてくれるものもあれば、感情移入してしまって涙があふれ出すなんてことも少なくない。(年のせいか?涙腺ゆるい)

 

今目の前にいない人(作家)だけど、こんなことを上手に描いている、こんな場面を想定している、それらを言葉巧みに表している。

 

親子や友人と名作を読んで(名曲を聴いて)話をするのもまた愉し。

 

ことバンドでやる音楽の場合はコピーして、解析して、カバーを作るときに、ただ聴いていた時よりもずっとずっとその中身(骨子)にふれることができて、なおさら楽しい。

 

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実は娘が19の頃に浦澤直樹氏の名作「MONSTER」を全巻貸して読ませた。

(と言ってももちろん強制的なものではないw)

  

MONSTER 完全版(ビッグコミックススペシャル) 全9巻セット

MONSTER 完全版(ビッグコミックススペシャル) 全9巻セット

 

 

読み終わった後に感想まじえていろんな話をした。

 

私が最初に聞いた質問は

「で。何がMONSTERだと思った?」と言うタイトルの意味から。

 

それからいろいろと話をしていくと、、一番顕著な違いは感情移入する登場人物だった。(読まれた方はじゅうじゅうわかっていらっしゃると思うけれど)

このMONSTERには主人公の医師と、ヨハンとアンナと言う兄妹が登場する。

 

 でもって、私にはふたりの子どもがいて、初めの子が男の子。二人目が話をした娘。

私は主人公の医師に感情移入して読んだ。

兄妹の妹として20年近く生きてきたうちの娘は妹アンナに感情移入して読んだ。

 

視点がちがうので、当然ながら感想の重心もちがうw

 

登場人物に関してはとりわけグリマーについて話した。グリマーは良い意味でも悪い意味でも、洗脳された集団に属していた「できそこない」的人物。

でも「できそこない」ゆえに、人の心が残っていて読者の琴線にふれる。

 

こう言う脇キャラについて、娘とはよく話す。「ワンピース」でのウソップとか「攻殻機動隊」のトグサとか、そのあたりについて娘と語り始めると夜が明けてしまうw

 

数年前にうちのツマさんが入院したときにこの本を全部持ってったら、夢中で読んでたっけ。( その感想はまた別で母親的視点からも加わってとても面白かった)

 

このMONSTERにはいろんな要素(作品のエッセンス)が含まれている。古き名画「ソフィーの選択」もしかり、中に出てくる絵本にはヨーロッパ(人類?)の黒歴史が含まれていたり。

 

※ちなみに「何がMONSTERだったの?」の私なりの答えは“子供の持つオレンジを時計仕掛けにしてしまう人たち”です。

 

最近の世の中はそんなモンスターママが増えた気がします。そしてそのママたちを洗脳したのは、TVと言う名のキンダーガーデンかもしれません。

 

すぐ?

「考える力を育てる」と言う話を少し前(だいぶ前か?)のテレビ番組で観た。

 

塾の先生と受験生を持つ母親たちのテレビ公開討論みたいな?番組で。

「考える力を育てる」ための学習法について。

「解けない問題を1日中考える。バスの中でも、歩いていても考える。とにかく考え抜くと、たとえ最後には解けないと結論が出ても次につながっていく」みたいな話をしていた。

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そうしたら集まっていたママさんの中から「それって時間がかかりますよね?」という指摘があった。

 

それに対して「脳が力をつけるには時間がかかります。でもその力がつけば、それから進むのは早いんです」と答えていた。実力をつけることの本来の意味だろうと思う。

 

答えた人は「いつやるの?」「いまでしょ!」で有名なH先生である。

彼のこの言葉は「やるのは今」でも、今すぐ答えを出せとは言ってなかったんですね。すばらしい!

 

 しかし。。待てないのが現代人。

 

すぐに答えがほしい。

すぐに解決したい。

すぐに役に立てたい。

すぐにお金にしたい。

近い将来お金になるからとか・・・。

 

そんなことばかりに急ぐのはビジネスマン??

いやいや、そんなビジネスマンを育てたママさんたちでしょう!?

 

営業ノウハウの実用書を10冊読む時間があったら、ロシア文学を3冊読んだ方が「人」について長けてくる。人について長けてくれば、営業も得意になってくるんだけど。もちろんそれにも゛時間がかかる”。

 

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だけど実力がつけば、あとはノウハウなんて勝手についてくる。そしてそれはホンモノだ。昔の人は「急がばまわれ」なんてうまいことを言ったものだ。

 

以前に鎮痛剤のことを書いたけれど、現代人は身体を治すことよりも、今の痛みを感じなくするための薬ばかりを服用する。生活は変えないまま。

 

気がつけばテレビのCMって電話会社(通信業)が一番だろうけど、鎮痛剤のも多くないですか??

 

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結局そういう短絡的な考えが「テロに対抗するには、銃を持て、国民を盗聴しろ、疑わしきはひっとらえろ」になっちゃうような気がします。

 

10年かけて、こどもたちにしっかりとした教育をしようとか、

もしくはみんなに教育が行き届かない社会をなんとかしようとか、

10年後に凶悪犯罪が減るためには今何をするべきか?とか、

陰湿ないじめ(いじめによる自殺)を無くすために大人たちは何をするべきか?とか、

 

そういう長いスパンの対策がとても重要だと思うんですけど。

 

結局「それはダメ」と言ってもきかないなら罰を与える。罰でも抑制されないようなら、その兆候が出た時点で罰を与える。これ、一番ダメな教育指導だと思います。

 

もちろん"付け焼刃”的でも急な対処法も並行して進めていかないとまずいのはわかります。今出ている問題の解決の前に被害が甚大になってしまうから。

 

今の大人たち(親たち)が、10年20年先を考えて実行していくにも、これまた時間がかかりますわな。それも急いでる??なんとまぁ皮肉なことでしょう。

 

あ。そうそう。

急いては事を仕損じるなんて言葉もありました(苦笑)

 

Yさんの隣人。

「青さん、1億貸してくれない?」唐突に聞いてきた。

職場のYさん。

「それは無理w で、何に使いたいの?」と返したら

「ちょっとゆっくり休みたいんだ」って。二人して苦笑ww

 

小さな会社のタバコ部屋。

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1億って数字が会話に出たもんで、今度は私から話しかける。

青「ロト7買ってるんだけどね。この前4つだけ数字が当たったのよ」

Y「1万くらいになったの?」

青「いやいや1700円ぽっち。でね、1~41までの数字を4つ当てて1700円。

ナンバーズなら0~9まで4つ当てればさ、順序ばらばらでも2万くらいには

なるっしょ。割りがいいのはナンバーズ。だけど何度当たっても億の金は入ってこない。」

Y「オレもロト6ずーっと同じ数字買ってた時期あったんだけど、今はやめた」

 

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青「ロト7って始まった当初1等出なくて、突然8億が2口出たんだって。それも女子大生が4人で買ったって話」

Y「あー。あの4人ってどうしてるんだろね。。」

青「いや、お金もらった時点で、連絡先変えて絶交しないと、事件になりそうだよね」

Y「女子大生4人で、1人4億ずつかぁ、、まぁ何かのキッカケでなくなっちゃうね。

最初に無くなったコが残りの3人の誰かのとこに行って、ぐちゃぐちゃになっちゃうかもねw」

青「ってかさ。もう3人は殺されてたりしてね・・・」

Y「おおお!ひとりで16億かぁ。。それはすごいな。ありえるね。。」

なんて話をした。

 

そしたらYさんから

Y「青さん、さっきの話だけどね。当たる人って何度も当たってるのよ。実は知り合いにロト6当たった人いてね。」

青「1等?!」

Y「そそ。1等。その人、ドヤ街のおっちゃんでさ。万馬券で200万くらい2回取って、宝くじで300万当たって。そのたびに職場仲間のうちらに、ご祝儀で1万とか2万とかくれてね。で、クニへ帰っちゃったのね。」

青「ほうほう。。」

Y「でね。ひょっこりまた顔出して『ドヤ街で、いつもの仲間と働いててね、そのお金でロトくじ買ったら当たった夢見た』って言ってさ。また働きだした。でホントにそのお金でロト6買ったら1等当たっちゃったってわけ。そん時は、夢に出てきた人全員に出演料って言って5万ずつくれたんだ」

青「ほえーーーー!!!すっげー!!!」

Y「でもね。その人、すっごくいい人なのよ。真っ正直って言うか。」

青「へー、どんな感じの?」

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Y「あのね。ドヤ街ってみんな金ないじゃない。日払いでさ。もらった金すぐ使っちゃうでしょ。で、雨とか続いて仕事無いと今日食べる飯代がないって時に70万入った財布拾ったのよ。それ警察にちゃんと届けたんだよね。飯食う金無いのに70万拾って、ちゃんと届ける人なのよ」

青「うーーーん。。じゃぁ、万馬券も宝くじもロトもお地蔵さんがくれたみたいな話じゃん?!」

Y「そう。なんかね、当たる人って違うんだなぁって思った。オレなんて7千円拾っても『おお!神様がめぐんでくれた!』って速攻使っちゃうと思う。ましてや、70万なんて拾ったら、めっちゃ喜んで飲みにいっちゃうと思う。ダメだよなぁ・・」

 

青「あぁ・・オレなんてトイレに財布忘れて、戻ったら中身だけ抜かれたことある、、」

Y「あぁ、具だけね」

青「そう、具だけw でも、、やっぱり当たる人ってちがうんだね。そんな話聞いたら、オレ一生ロト7なんて当たらない気がしてきた(苦笑)」

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Y「オレはロト6毎週同じ数字で買ってたんだけど、週に2回抽選になったでしょ?あれでやめた。もし、たまたま買わなかった時にその数字で当たってたら悔しくて眠れなくなるからさ」

青「そら悔しいやね。オレはたまたま買える時にだけ買う。それでダメならあきらめるって決めてる」

Y「で、当たったら1億貸してくれる?」

青「無理w」