昭和の忘れもの。

1960年生まれの青ん坊語り。

「灼熱の魂」ネットフリックスで鑑賞。

最近は人並みに余暇に時間を取れるようになったので、昼下がりにうちのツマさんとネットフリックス配信の映画を見ることがある。

 

「重いテーマの映画なんだけど、見る?」とツマさん。

「中東とか?イスラエルとかの?」と聞き返してしまった私。

「そうね・・」とツマさん。

 

で。観ました。感想は「重い、むなしい、つらい、持っていき場が無い」くらいかな?

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2011年劇場公開された

「灼熱の魂 Incendies」

というカナダの映画。

 

物語は母の遺言をきっかけに姉と弟の男女の双子が動き出す話。

母は一人にひとつずつ手紙(封筒)を残した。(託した)

 

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※この二人が双子です。

 

公証人の話によって二通の手紙が渡される。

 

ひとつは、双子たちの父に会えた時に渡してほしい。

もうひとつは双子たちの兄に会えた時に渡してほしい。

 

この手紙を渡すために姉が、会ったことの無い父を訪ねていく。

行く先々で母の生きざまを知りながら、、というお話。

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写真左がお母さん。右が双子のひとり(お姉さん)

その母の過去をたどっていく舞台がパレスチナですからね、壮絶です。

 

見終わった後は、どすんと心が重くて、、ちょっと立ち上がれません。。

 

ツマさんとの会話も「日本は平和だなぁ」とつぶやく程度で、返ってくる言葉も「お花畑だよね・・」くらいで、会話は弾みません。

「とりあえずお腹空いたね」「そうだね・・」くらいで。

 

でも、重さは重さとして、とてもいい映画でした。

 

過去見た映画の重さの比較で言うと

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ダンサー・イン・ザ・ダーク」より重くて、、

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カネフスキーの「動くな。死ね。甦れ!」よりは軽いくらいかな。。

 

このお話はフィクションですが、時代の一片を切り取ったドキュメントのようなタッチゆえに、心が空虚な場所に持っていかれてしまいました。

 

ケンチキとか買って帰って、家族団らんの中、観る映画じゃございません。

でもでも、できれば多くの若い人たちに観てほしいなぁ。。

 

ハリウッドものとか、テレビドラマの劇場版とか、否定するつもりはないけれど。

 

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この映画の冒頭で使われていたBGMがレディオヘッド

この歌と映像がなんともいい。

 


Radiohead - You and Whose Army

 

 

ヨーダとクロスロード

今のスターウォーズの話はなんだか勧善懲悪の漫画みたいになっちゃったけど。

 

シリーズ初期の3部作の中、ルークの修行の場面。

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友を助ける為に修行を途中で投げ出す時にヨーダが言う。

「今行ってはいけない。今行くのはとても危険だ。」ってな感じのセリフ。

 

力がついてきているのに、まだ制御することがしっかりできていない。

それは闇の力に吸い込まれてしまうかもしれない。てな話。

 

それはツァラトストラが言ってた人の成長の話にも通じてて。

人は成長してくるとラクダから虎になる。

虎になると攻撃的になって周りを倒す、、なんて話。

 

その虎の時代に、必ずや、闇の方から誘惑がくるって話じゃなかろうか?

 

雑な言い方だけど、西洋哲学の話には人の成長の中に必ずクロスロード(交差点)が登場する。悪魔が囁く交差点。

 

なぜか東洋の「道」にはクロスロードは無くひたすら険しい一本道なんだけど。

 

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例えば、商品の説明がなんとも下手だった人が何かをキッカケに営業トークとして人を説得する術を覚える。

 

それを何に使うのか?

セールスマンとして優秀な成績をあげて年収をアップしていくのか?

老人を騙して、目先の50万100万を手にしたいと思うのか?

弁護士になって事件、事案を解決することで報酬を得るのか?

苦しんでいる人の役に立ちたいとNPOを立ち上げて制度の改善に向かうのか?

もしくは何十万人、何百万人のトップとかになって、より多くの人々の暮らしをよくしようと立ち上がるのか?

 

まぁ話はどんどん飛躍しちゃうけど。

 

仮に自分の利益のためだけに動く人。

自分とその周りと、さらに周りとそのまたさらに周りまで考えて動く人。

 

まず自分が幸せになりたいと思う気持ちには、ひとつも悪いことなんて無いけれど。。自分だけってなるとおかしくなってきちゃうんじゃないか?

 

だからかな、、◯◯ファーストと◯◯サギは、大元の考え方において共通点が多い気がしてならない。

 

もちろん合法とか違法とかは全く抜きにして。

 

だいたい、ファーストの次のセカンドに、サードに愛を注いでいるのか?

せめて地球ファースト、全人類セカンド、自国サードくらいならまだしも。

 

うーん。飛躍しすぎたか。。

 

 

 

 

 

 

「カメラを止めるな!」笑い、拍手、涙。。

3/8夜に地上波で放映したので、ちょっとブログに書いてもいいかな?という感じになった。

しかしテレビで見るのと映画館で見るのはずいぶん違うなぁ。

 

以下は見終わった後に書いた感想ブログ。

 

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ネタバレを避けるために、非常に抽象的な賛辞しか送れないのが残念だ。

(ネタバレ無いのでご安心を。まだの人は、是非観てほしい)

 

還暦近い私がこれを観終わったときに胸に熱く湧き上がったきた言葉は「情熱は周りの人を動かす」というもの。

 

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映画自体は、100%エンターテインメントであり、コメディであり、ペーソスであり、シニカルな批判も、熱いメッセージも入っている素敵なゾンビ映画だったと思う。

 

特筆すべきは巧妙な脚本の中にあるパズルがどんどん解けていくカタルシス

(なるほどね、、じゃなくてそーかー!あははwなるほっど〜ギャハハって笑っちゃう仕掛け)

 

そして何より、上田監督の持つ、不思議な品格がこの映画の観後感をよくしてくれる。
「下品になりきらない」作風とでも言おうか。。

 

まぁ、画面はブレアウィッチPJTのような低予算ゾンビ映画だし、ドタバタだし、ナタはぶん回され、血は飛び、さらに・・汚い場面もあるんだけれど。。なんと言うか「臭くなさそう」なところが魅力なのである。

 

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若き才能を発揮して、とても面白い作品を作った上田監督。

 

どこか大学の映研の傑作を観せられて、世の映画ファンが大喝采した感じだけど、これからが大変。

 

「上田さん、今度はしっかり予算取りますから、とびきりのエンターテインメントを撮ってください」とオファーが来た時が本当の勝負になりそうです。

M谷さんみたいにならないように祈ってます

 

もうひと回りスケールアップしてくれ!と期待しています。
勝負はこれからですね!ファイトです!!

  

しっかしこのメンバー、打上げ愉しかったろうなぁwwだって映画愛に満ちてるもん!

 

個人的にはビリーワイルダー作品を見直したくなりました!

 

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ここまで書いて没ブログにしたw

 

興行収入は20億を超えたそうで、よかったよかった。

 

日本アカデミー賞の番宣では、「監督、スタッフ、出演者などに収益が分配されたらいいんですけどね。」なんてコメントあったほど。

 

今回のテレビの地上波放映では副音声で、メインの出演者はじめ監督が撮影裏話を画面の進行に合わせて話してた。

 

それはかなり面白くて、なんだか劇団の打ち上げとかで飲んでワイワイやってる感じ?

 

その副音声では、とにかく予算が無かったってこと(撮り直しもできないし。雨でも撮影して、雨の音を消すのにアプリ使ったとか)が聞けて、やっぱり情熱が周りを動かしたんだろうなぁってよーく伝わってきた。

 

先に書いた文中のビリーワイルダー

代表作「アパートの鍵貸します」もいいけど、「あなただけこんばんは」とか「情婦」とか本当にいい。なんて思ってたら、上田監督も好きみたい。

 

ギャグ、コメディじゃなくてペーソスって今は死語なんだろうなぁ。。

 

古き良き作品の数々をもっともっと多くの人に見て欲しいなぁ、、なんてヒトリゴチりブログになってしまった。