「なんでクジラなの?」という質問に
「この曲書いた頃って転職したかったんだよなぁ」が最初の答えでした。
これは私が35才の頃に書いた曲。この曲にあたたかい絵がついて、動画になったので60になった今ですが改めて公開してみた。
このブログはこの絵を描かれた作家 松島りつこさんとの会話。
この歌にはいくつか動物が登場するんだけど「どうしてクジラ?」という話になった。
この質問を機に曲を書いた当時の様子がどんどんよみがえってきた。
私が35才と言うと1995年頃です。
学生時代から今もアマチュアバンドでギターを弾いて、歌を歌うのが趣味の私。
そんな私も(当時の仲間たちも)35才となると、就職をして、8割くらいが結婚して、小さな子供がいたり、いなかったりの、いわゆる「家族持ち」になった。
で、歌詞に登場する動物は
「歌を忘れたカナリア」
「海に憧れているタイヤキ君」
「こたつで昼寝してる猫」
「カレンダーじっと見ている亀」
これらはみんな私であり、私の周りにいた仲間たちです。
90年代の巷のニュースでは「ひきこもり」「ニート」「フリーター」なんて言葉が登場した時期。
そして歌の中盤に
「空高く潮吹くマッコウクジラ」が登場。
海に出たかったタイヤキ君の私としては、大海原を自由に泳いでいるクジラになりたかったわけです。
バブルもはじけた頃で、なんだか日本中がモヤモヤしていた時期だと思います。
まわりを見ると”覇気のない会社員”、”夢をあきらめたサラリーマン”たちが、1日1日が無事にすぎていけばいいと思っているようで嫌だった。
あんなに活気のあったアマチュアバンドのメンバーたちも、いつの間にか「生活するのに疲弊している」感じで嫌だったし。
自分は営業マンで稼ぎはあっても休みは無く、なんとなく家族との時間も取れなくて。。
だけど、12月になるとどうだろう?
街は華やかなクリスマス。
そこには新しい出会いもあるし、あたたかい家族もいる。
よし、だったら、ちゃんと自分のペースで歩いていけば来年はもっと楽しいクリスマスが来る!
こたつで寝てたって、歌を歌わなくたってクリスマスはやってくるけど
「自分がやりたいと思ったこと」を少しずつでも始めていけば、もっともっと楽しいクリスマスはやってくるはず!
そんな思いで作った曲です。
絵本作家、漫画家である松島りつこさんは
「前半聞いて少し寂しい印象を受けたのが、だんだんと後半に向けて変わっていく感じでした」と率直な(感じたままの)印象で描き始めたと話してくれました。
実際このやりとりは、絵を描かれた後です。
絵を頼んだ私は、感じたままに描いてほしかったので、注釈や背景の話は一切せずにお願いしました。結果としてそれが大正解だったと思っています。
ここに描かれた絵は、どれもがあたたかくて、やさしくて、時に幻想的でもあり、キャラクターがみんな魅力的でとてもうれしく思っています。
こんな話をした後で「やっぱり詩の中には作者の深い意味が込められているんですね」とも言っていただきました。
もちろん彼女の絵の中にもたくさんの意味が込められていると思います。
クジラの潮がクリスマスツリーになってる絵。
タップダンスを踊っているような亀くんの絵。
どれも生まれて初めて見ました(^^)
ありがとう。りっちゃん。
まさに25年経って私の曲が具現化されました。
ピアノとアレンジをしてくれた友人のMAX鷹野氏、コーラスを歌ってくれた友人のカスミちゃん。ありがとう。
やっと形になったよ。
ただね、、この数年、クリスマスが地味になりました。
今年は特に。。テレビではもうおせち料理のCM。中には恵方巻のCMも始まっています。なんだかなぁ。。
※最後に松島りつこさんから絵の解説をひとつ。
「ちなみに、お弁当の具は、帽子がウインナーで顔がチキンライス、ヒゲはクリームスパゲッティです(o^^o)」とありました。追記しておきます。
あはは。メリークリスマス!